北朝鮮も酷暑続く 運動場や庭、屋根の上で寝る人が続出 エアコンなく電力難で扇風機も使用ままならず
◆日中勤務を朝晩に変更
両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市は、白頭山麓に位置する都市だ。韓国気象庁の統計によれば、1999~2020年の恵山市の8月の平均最高気温は27.0℃、平均最低気温は15.4℃。しかし、「The Weather Channel 」によれば、涼しいはずの両江道でも8月に入ってか最高気温30度超の日が続出している。 恵山に居住する取材協力者が、やはり14日に伝えてきたところによると、恵山は庭がある平屋住宅が多いため、咸興のように猛暑の中で運動場に出て寝ることはなく、自宅の庭や屋根の上や倉庫に寝る場所を作って寝苦しさを凌いでいるそうだ。 問題なのは夜よりも日中の暑さなのだろう。協力者は暑さ対策について次のように説明した。 「職場では午前は5時から10時まで、午後は4時から7時までと勤務時間を変更した。人民委員会(地方政府)でも、昼間の暑さがひどい場合には、10時から3時までは休憩し、早朝と夜間に仕事をする場合もある。警察などの取締り統制機関でも、日中の気温が高い時間帯は巡回をせず、場所を決めて見張り勤務をしている」 なお、恵山市では7月末の集中豪雨によって停電になったが現在は復旧している。電気は、工業線(生産用電力)には1日4~5時間、住民線に1~2時間程度、恵山市の中心部では3時間程度供給されているという。当局は節電のため、工業線での電力供給地域で、冷蔵設備、製氷機などで氷を作って販売することを集中的に取り締まっているという。 ※北朝鮮では、用途によって電気供給線が分かれている。「工業線」とは党や行政機関、工場や企業所、協同農場向けの電気供給専用線であり、「住民線」とは一般家庭向けの供給線である。 ※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。