さぁ熱戦 被災地に感動を 高校野球石川大会 開幕戦は北陵制す
第106回全国高校野球選手権石川大会は11日、金沢市の石川県立野球場で開会式が行われ、夏の甲子園を目指す44校の熱闘が幕を開けた。元日の能登半島地震から半年余り、七尾東雲の高山昴主将は「私たちの使命は、被災された人、支えてくれた人に感動を伝えること」と力強く宣誓。開幕戦では、校舎前が崩落した北陵が翠星を8―1で破り、地震を乗り越えて懸命にプレーする姿にスタンドから大きな拍手が送られた。 【写真】司会を務めた鹿西の北川さん(左)と能登の佐藤さん ●七尾東雲の高山主将宣誓 入場行進では関戸啓太さん(小松工3年)が先導し、前回大会優勝の星稜を先頭に選手が力強く歩を進めた。遊学館合唱部の中澤心音さん(3年)が国歌と大会歌「栄冠は君に輝く」を独唱し、同校吹奏楽部とバトントワリング部が盛り上げた。 地震で大きな被害を受けた奥能登の選手たちも健闘を誓った。6月まで金沢などで避難生活を送った輪島の中川直重主将は「みんな生活が大変なのに応援してくれる。勝って地元の人に少しでも元気を届けたい」と意気込み、飯田の山田恵大主将は「練習試合に招いてくれた仙台育英など、いろんな人の支えで出場できた。その一つ一つを力に精いっぱいプレーする」と表情を引き締めた。 開会式では、北川由奈さん(鹿西3年)と佐藤來未さん(能登3年)が司会を務めた。 日程が順調に進めば、決勝は県立野球場で27日に行われる予定となっている。