令和のJ1ゴール1号は誰になる?
平成におけるJリーグは28日に行われた明治安田生命J1リーグ8試合、同J2リーグ7試合、同J3リーグ6試合の計21試合をもってすべて終了。令和のもとで開催される戦いへ引き継がれるなかで、歴史に残る初ゴールを誰が決めるのか――に注目が集まってくる。 今後の日程を見れば、次節は5月3日の憲法記念日にJ1第10節が4試合、J2第12節が1試合行われる。トップカテゴリーのJ1に絞って可能性を探れば、最初に行われる2カード、午後2時キックオフの浦和レッズvsジュビロ磐田(埼玉スタジアム)、サンフレッチェ広島vs横浜F・マリノス(エディオンスタジアム広島)がクローズアップされてくる。 レッズでは32歳のベテラン、元日本代表FW興梠慎三が平成最後のゴールを決めた。28日のカードのなかで午後4時とキックオフが最も遅かった清水エスパルス戦の、後半アディショナルタイム7分にカウンターからワンタッチゴールを華麗にゲット。歴史に名前を刻んだ。 相手ゴールに最も近い位置でプレーするFWということを考えれば、チーム得点王でもある興梠が再びネットを揺らす可能性は高い。その場合はJ1通算140ゴールに伸ばし、カズを抜いて歴代6位に浮上。同時にレッズにおける通算得点も91に伸ばし、歴代最多の福田正博氏に並ぶ。 しかし、歴代ゴール記録をマークすることはできても、それがJ1における令和初ゴールとなる確率は低いと言っていいかもしれない。今シーズンのレッズはスロースターターぶりが顕著で、総得点8のうち実に7つが後半に、それも25分以降に生まれている。 前半にあげた唯一のゴールは、4月20日のヴィッセル神戸戦の10分に興梠が決めたPKだった。加えて、流れのなかから生まれたゴールが、興梠の平成ラストゴールの他には1つしかない。選手の組み合わせなどが、まだ定まっていない証と言っていいだろう。 指揮を執って2年目のオズワルド・オリヴェイラ監督は、鹿島アントラーズを率いたときから手堅く勝つチーム作りを標榜してきた。まず守備に重点を置きながら焦らずに試合を進め、セットプレーで獲得したチャンスを確実にものにする戦い方を、これからも煮詰めていくはずだ。 実際、指揮官の青写真通りに、今シーズンのレッズは9試合のうち実に6度で前半をスコアレスで折り返している。特に直近の3試合ではそのまま相手を零封。3連勝で令和を迎えるレッズの軌跡を考えれば、3シーズンぶりとなる3連敗を喫して、17位に低迷しているジュビロが先制するケースも考えにくい。おそらくは0-0のまま、試合は推移していくはずだ。 一方のジュビロの総得点7のうち、前半にあげたのは1点。J1歴代最多の通算184ゴールをあげているFW大久保嘉人も、8試合に出場しながらゴールを決めていない。昨シーズンのチーム得点王、FW川又堅碁も左足の故障から5試合ぶりに復帰した28日の北海道コンサドーレ札幌戦で負傷退場。レッズ戦の出場は微妙となっている。