【日本ハム】ドラ3浅利太門「大事な場面を任せていただける投手に」発展途上もプロで飛躍だ
日本ハムドラフト3位の明大・浅利太門投手(22)が1日、東京・府中市内の同校で指名あいさつを受けた。「少し実感が湧いたなっていうのが正直な感想です」と、落ち着いた口調で話した。 最も評価されたのは「伸びしろ」だ。大渕隆スカウト部長は「身体能力はもちろん、スピードボールからカット、チェンジと1つ1つの能力の高さ、ボールの質の良さは誰もが認めるところ。天井の高さを評価してます」と、その潜在能力が決め手となった。 186センチ、88キロの恵まれた体格から投げ下ろす最速154キロの直球は、神宮球場のトラックマンで回転数が2500台中盤から2600を記録する。「現状としては、まだまとまりきれていない。発展途上。彼の旬は2年後ぐらいかな、と」育成に力を入れている日本ハムらしく、この先の成長に大きな期待を寄せる。浅利もまた「自分の潜在能力というか、伸びしろを評価していただいてると言っていただいた」と、これからの野球に、胸を膨らませた。 ドラフト当日、色紙には好きな言葉として「七転び八起き」と記した。「大学時代うまくいかないことも多かったんですが、諦めずに練習し続けた結果、ここまで来られた。その思いを込めて書きました」。3年春からリーグ戦デビューの遅咲きも、1、2年時の地道な努力があったから今がある。今再びの努力に何の迷いもない。「プロの世界でも、何回も何回も立ち上がれるように頑張ります」と、力強く話した。 2年後、1軍マウンドの景色は見えている。打席には現チームメートで楽天1位の宗山だ。「きっと僕の真っすぐを狙ってくると思いますが、しれっと交わして抑えたい(笑い)」と、イメージはバッチリ。明大入学時、寮は同部屋で、学部も暮らすも一緒。少しずつコミュニケーションをはかり、今では大の仲良しだ。「無理やりいじってました(笑い)。宗山だけは、打たれたくない」と、気合十分だ。 浅利は「後ろの大事な場面を任せていただける投手になりたい」と話したが、その発展途上の力には、大きな可能性を秘める。大渕スカウト部長は「彼の能力をもう一度整理して、最大限の力を発揮することは何かを考えていきたい」と先発も示唆。この日、球団からプレゼントされたドラフト会議のパスには、栗山CBOのサインと「共に天下を」とメッセージが書かれていた。「少しでも日本一の力になれるようになりたいと思います」。天下をとるその日まで。あきらめずに走り続ける。