球界全体に響く4番打者の不振 全試合出場は巨人・岡本和、ソフト・山川の2人 阿部監督は信頼「4番が打てば勝つ」
巨人は11日の楽天戦(楽天モバイルパーク)、最大4点差を追いつかれてサヨナラ負けを喫した。チームは現在4連敗中。同戦では二回、岸田が球団通算1万1000号となる先制2ランを放つと、ドラフト4位・泉口(NTT西日本)のプロ1号で続く連弾。1点差に迫られた直後の四回には、丸が4号3ランでリードを広げた。 チームとして1試合3本塁打は今季初。前カードオリックス3連戦で、わずか1得点の打線が一発攻勢を見せた。打線全体に復調気配が漂う中、4番の岡本和が4打数無安打。前カードのオリックス3連戦は10打数無安打で、連敗中の4試合では快音から遠ざかっている。 阿部監督は9日の試合後、岡本和について「ちょっと迷いとかもあるのかなと思いながら見ている」とした上で、自身も長く担った重責について「4番が打てば、勝つ。これが野球だと思う」と語った。4番打者としての宿命。チームの勝敗を背負うポジションであることは今も昔も変わらない。 今季12球団で開幕から全試合4番を守るのは、ソフトバンク・山川と岡本和の2人。ヤクルトの村上も11日のソフトバンク戦で3番、シーズン序盤では2番に入るなどしている。阪神の大山や広島の堂林、西武のアギラーなど、開幕4番を担った打者が不振で2軍再調整中。4番打者が苦しむシーズンになっている。以下、11日終了時点の各球団の4番成績と、開幕戦で4番に入った打者のシーズン成績を記す。 【セ・リーグ】 広島・282、2本、19打点 堂林 26試合、・210、0本塁打、5打点 阪神・206、4本、25打点 大山 53試合、・199、3本塁打、19打点 巨人・267、10本、31打点 中日・286、5本、27打点 中田 44試合 ・228、3本塁打 17打点 DeNA・286、9本、33打点 牧 49試合 ・256、7本塁打 26打点 ヤクルト・244、11本、24打点 村上 59試合 ・234、13本塁打、27打点 【パ・リーグ】 ソフトバンク・237、12本、46打点 ロッテ・228、5本、28打点 山口 36試合 ・216、2本塁打、11打点 日本ハム・258、7本、28打点 マルティネス 57試合 ・255、7本塁打、28打点 楽天・205、0本、19打点 浅村 58試合 ・212、5本塁打、27打点 オリックス・260、5本、28打点 頓宮 43試合 ・213、4本塁打、22打点 西武・217、6本、19打点 アギラー 30試合 ・204、2本塁打、10打点 セ・リーグ首位の広島は、小園を4番に据え浮上した。交流戦の首位を走る楽天は、1日のヤクルト戦から鈴木大が4番。いずれも長距離打者のイメージではなく、「つなぎの4番」として打線の起点になっている。当然、チーム構成や監督の采配にもよるが、ソフトバンクがパ・リーグの首位を独走するように、4番の固定は勝敗を大きく左右する。直近では安打のない岡本和だが、開幕から残している成績とともに、不動の存在はプラス材料になる。シーズン、交流戦ともに五分の戦いを続ける中、4番打者の復調がチーム浮沈のカギを握る。