「生活保護」の申請を考えていますが、アパートの「契約更新」が迫っています…。「更新料」も支給されますか?
賃貸物件に住んでいると、契約更新時に更新料を支払わなければならない場合があります。経済的に困窮していて、生活保護の申請を検討するにあたり、更新料の支払いに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。 賃貸物件の更新料は、生活保護の保障範囲に含まれるのでしょうか。 本記事では、生活保護の扶助の一つである「住宅扶助」の概要と、特別基準額の計算方法もあわせてご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護の「住宅扶助」とは?
生活保護は、あらゆる資産や能力を活用しても、最低限の生活を送るために必要な費用である「最低生活費」に収入が満たない場合に利用できる制度です。 対応する扶助の種類はいくつかありますが、その中の一つである「住宅扶助」では、家賃や間代、地代、補修費などの住宅維持費を給付します。住宅扶助を含む生活保護の受給要件は以下の通りですので、確認しておきましょう。 ・活用できる資産があれば活用する ・働ける場合は能力に応じて働く ・年金や手当などを受給できる場合は優先する ・親族などから援助を受けられる場合は受ける
賃貸住宅の更新料は生活保護の保障範囲なのか?
住宅扶助の対象には、賃貸住宅の更新料も含まれます。 アパートなどの契約を更新するにあたって、発生することがある契約更新料や更新手数料、火災保険料などは「契約更新に必要なものとして認定することが可能」とされているのです。 生活保護の住宅扶助には特別基準が設けられており、通常、毎月支給される家賃とは別に「特定の場合に限り」支給される費用があります。賃貸住宅の更新料だけではなく敷金や礼金についても、特別基準額の範囲内で認定される可能性があるため、確認しておくとよいでしょう。
特別基準額の計算方法は?
特別基準額の計算方法は、以下の通りです。 ・複数人世帯等の特別基準 = 限度額 × 1.3 ・7人以上世帯の特別基準 = 限度額 × 1.3 × 1.2 限度額はお住まいの地域によって異なるため、厚生労働省の資料で確認しておきましょう。 例えば、東京23区の場合は限度額が5万3700円ですので、複数人世帯の特別基準額は6万9800円、7人以上世帯の特別基準額は8万3800円となります。 また、被保護者が病院から退院する際に帰る家がない場合や、退職により社宅から引っ越さなくてはならない場合などは、特別基準額の3倍の範囲内で、敷金や礼金、火災保険料などが支給される可能性があります。