動かぬ“拉致問題”…被害者家族が語る不安・焦り「生きて待っていて」 政府へ結果求める声も「とにかく具体的な行程を」
NST新潟総合テレビ
拉致被害者の一日も早い救出を訴える県民集会が11月16日、新潟市で開かれました。登壇した人たちからは解決への動きがないことへの不安や家族の無事を祈る思いが語られました。
■被害者家族が思い語る「生きていて」「そばにいてほしい」
【横田めぐみさんの弟・拓也さん(家族会代表)】 「この新潟集会でいつも感じるのは、許さないんだという怒りと同情の気持ちを持って、そばにいてくださる、気迫や思いを感じる」 拉致被害者の早期帰国を訴える県民集会には、約730人が訪れました。 88歳となるめぐみさんの母・早紀江さんは自宅のある川崎市からオンラインで参加。めぐみさんをはじめ、北朝鮮に残されたままの被害者に向けてメッセージを伝えました。 【横田早紀江さん】 「帰れるんだと、日本が助けてくれる、みんな世界の人たちが見守っているから元気で帰ってくるまで生きていてください」 めぐみさんの弟・拓也さんは「日本政府は拉致問題に真に向き合っているのか」と訴えます。 【横田拓也さん】 「自分の大切な子どもだと思って考えれば、こうした悠長なことを言っている場合ではないと、本音で思う」 拉致被害者の曽我ひとみさんはともに拉致されたまま帰国できていない母・ミヨシさんへの募る思いを。 【曽我ひとみさん】 「私にとって母は、本当にただ何もしなくてもいい、そばにいてほしい」 特定失踪者・大澤孝司さんの兄・昭一さん、中村三奈子さんの母・クニさんもそれぞれに救出を訴えました。 【大澤昭一さん】 「これだけの状況証拠を出しても、(政府は拉致の)確たる証拠がないと言っている」 【中村クニさん】 「毎年、娘には誕生日のプレゼントと手紙を用意しているが、プレゼントの品も開けられないままになっている」
■進展しない拉致問題に焦りも「とにかく具体的に…」
一方、講演した東京国際大学の伊豆見元特命教授は「石破首相は、岸田政権が水面下交渉につなげた姿勢を踏襲することで、今後の可能性が開ける」と指摘。 【東京国際大学 伊豆見元 特命教授】 「(岸田政権のように)実りある日朝関係、双方の利益だという前提で、二国間関係を考える中で、拉致問題を解決していくということを言われると、北朝鮮は日本との交渉に応じてくる可能性があろうかと思う」 2002年に被害者5人が帰国して以降、膠着状態の続く拉致問題。家族の焦りの色は濃くなるばかりです。 【横田めぐみさんの弟・哲也さん】 「とにかく、具体的にいつの時期に何をやって、この時期までに解決するんだという行程をしっかりと首相自身が頭の中で描いて、それを愚直に推進して結果を出してほしい」
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