中学生の10人に1人が発症「起立性調節障害」……14歳少女に密着「知ってほしい私のこと」思いを発信『every.16時特集』
■小児科専門医 “周りの理解とサポート”を
この日、通院のため都内の病院(小児科外来)へ。 医師 「体調は最近どうですか?」 知佳穂さん 「やっぱり朝起きられない」 知佳穂さんを診察する、田中大介医師は、“起立性調節障害の特徴”を、こう話します。 昭和大学 田中大介 小児科専門医 「体の病気です。(自律神経は)自分の意思ではコントロールできないので、いくら頑張っても、なかなかうまくいかないというのは、起立性調節障害になります」 「大体9割以上の子は高校生の間のうちに良くなっていくといわれています」 田中医師は、見た目では分からないため、周囲から「頑張ればできる」と言われたり、「さぼり」や「怠け」と誤解されたりするといいます。このため、もっと周りの理解とサポートが必要だと話します。
■オンラインで当事者の“居場所”づくり
知佳穂さんは、以前、こんな言葉を… 知佳穂さん 「『なんで今日は来られるのにいつもは来られないの?』と言われてしまって、“行きたいのに体調が悪くて行けない”のでつらい思いをした」 2023年、知佳穂さんは、当事者が集まれる場として、「起立性調節障害の子どもたちの会」を発足。 オンライン交流会を開いて、不安や悩みを打ち明けたり、SNSで自ら病気について発信したりしています。 知佳穂さん 「Q(来年)高校で、私と同じですが、(進路は)どういう予定ですか?」 女子中学生(中3) 「通信制の高校とか探しはじめていて」 「今の状態でつらいんだったら、多分(朝から登校する)高校に入っても無理だと思う」
■病気の正しい理解を広めたい
知佳穂さん 「いままでは当事者の居場所づくりを行っていたんですが、これからはもっと正しい理解を広めていきたい」 “もっと当事者が生きやすい世の中に”―― 知佳穂さんは、自分の経験を活かし、発信していきたいと話します。 (7月3日『every.特集』より)