中学生の10人に1人が発症「起立性調節障害」……14歳少女に密着「知ってほしい私のこと」思いを発信『every.16時特集』
■目覚めたあとも次々と症状が…
目を覚ましますが、腹痛が。さらに… 母親 「頭を下げなさい。その方がいいよ」 知佳穂さん 「気持ち悪い…」 母親 「気持ち悪いか」 うずくまる知佳穂さん。脳の血液が不足してしまうため、頭を心臓と同じ高さにして、姿勢を保ちます。 母親 「ミドドリン飲む?」 医師から処方された、血圧を上げて、“脈の増加を抑える”薬を服用します。気持ち悪さのほかに“けん怠感”もあり、体が動きません。目が覚めてから、1時間近くたっても… 母親 「動けない?着替えは終わったの?気持ち悪い?」 知佳穂さん 「だるい」 母親 「だるいか。学校があって急いで行かないといけない時は大変だね」 「まあしょうがないね。でも起きられただけいいよね」 毎朝、知佳穂さんは、数分おきにアラームを設定し、工夫をしていますが起きられません。 ――午後1時前、朝昼兼用の食事。学校があった場合、すでに午後の授業がはじまっています。
■小学6年で発症「学校に行きたくても…」
4年前、ピアノの発表会で演奏する(発症前の)知佳穂さん。水泳やバレエを習うなど活発だったといいます。ところが、ある日、突然… 知佳穂さん 「(発症したのは)小学校6年生のときです」 「だんだん遅刻が増えていって、冬くらいにはほとんど学校に行けない」 発症後、今までできていたことができなくなった知佳穂さん。動けず、一日中、家から出られない日々が続きました。 起立性調節障害を抱える 中山 知佳穂さん(14) 「行きたいのに行けない。だんだん学校とも距離ができてしまって」 「学校に行けないことに対する“罪悪感”とか、家族への“申し訳なさ”がありました」
■学校に行けない日々…母親が支え
母親の知映さんは、当初、なぜ、娘が朝起きられないのか分からなかったといいます。 母親・知映さん 「とにかく行かせようと。結構、無理やり連れていこうと思って車に乗せて『いってらっしゃい』という感じで」 「もともと活発な子だったので“頑張れるんじゃないかな”と思ってしまって」 その後、病院で検査をうけ、「起立性調節障害」だと判明しました。 ――朝5時。母親の知映さんの一日は、娘のお弁当作りからはじまります。 母親・知映さん 「鉄分と思ってほうれん草、あとチーズをいれてタンパク質を多めに」 遅刻しながらも、学校に行ける日もあれば、行けずに家でお弁当を食べる日も…。それでも毎朝、何時に起きられるか分からない娘のために、作ります。 知映さんは、仕事を辞めて、娘を支え続けています。