石川・七尾市出身の山本愛翔、全日本新人王決勝戦で被災地の故郷に元気与えるMVP獲得
プロボクシングの第71回全日本新人王決勝戦は21日、東京・後楽園ホールで12階級が行われた。スーパーバンタム級は西軍代表の山本愛翔(18)=カシミ=が、東日本新人王の矢野円来(23)=花形=に1回54秒TKO勝ち。全日本新人王を獲得し、最優秀選手賞に選ばれた。技能賞はスーパーフライ級の村田碧(20)=松田=、敢闘賞はスーパーフェザー級の梶野翔太(19)=角海老宝石=が受賞した。 衝撃の左フックで54秒で矢野をキャンバスに沈め、山本が大一番でプロ初のTKO勝利を挙げた。「ボクシング最高。しっかり見て、あせることなくできた」。自分でも驚き、ワンテンポ遅れて「シャー」と喜んだ。 能登半島の最大都市、石川・七尾市出身。1月1日に発生した能登半島地震で実家は断水などの被害を受けた。山本は所属ジムのある石川・金沢市内で一人暮らしをしているため被災を免れたが、「(能登半島は)いまだに大変なので、元気づけられたらと思っていた。勝ててよかった」と故郷に元気を与えるMVP獲得だった。 プロ戦績は山本が6戦5勝(1KO)1敗、矢野が5戦3勝(2KO)1敗1分け、村田が7戦7勝(5KO)、梶野が5戦4勝(3KO)1分けとなった。(尾﨑陽介)