東大生が教える「頭の使い方が上手な人」「下手な人」の決定的差 重要なのは知識を「そのまま受け入れない」こと
ですが、僕らが「英検1級合格した!」「うそ!? すごい! おめでとう!」という会話をしているとき、「本当は間違っている」という意味で使っているでしょうか。そんなことはありませんね。このときの「うそ」は「本当に?」という意味です。辞書にそんなことが書いてなかったとしても、僕らは「うそ」を「ほんとうに?」と使っているのです。 みなさん、これが頭を使うということです。ただ目の前にあることを、そのまま受け入れない。きちんと裏の意図や、その背後に隠れている背景や前提や流れを理解すること。これこそが「頭を使う」「考える」「思考する」ということなのです。
それを、勉強だけではなく、世の中や社会に対して行うことができるか、という点も重要です。だからこそ桜木先生は「だまされないために勉強しろ」と言ったのです。 東大生は、目の前のことをそのまま受け入れず、しっかり解釈をします。なぜなら東大で出題される問題はかなり「目の前のことをどう解釈するか」が聞かれるからです。 ただの知識を問う問題は、ほとんどといっていいくらい出ません。 そんなものよりも、むしろ「この、参考書だったらいつも見かける超絶有名な公式だけど、これはいったい、なぜ成立するのかわかりますか?」とか「中学レベルで習うこの英単語、絶対何百回と見かけたことあると思うけど、本当はどういう意味なのかわかりますか?」とか、そういう「当たり前の裏側」を問う問題が多いのです。
■1つの知識に対するアプローチの仕方が違う 思考とは、知識を覚えることではありません。知識や事象を疑って、しっかりとその背景を理解することです。 そして東大生は「知識の解釈の仕方」が上手なんです。1つのフレームだけで解釈するのではなく、いろんな知識や覚えたことを結びつけて考える、つまり「1つの知識に対するアプローチの仕方」「解釈の仕方」が上手なのです。 さて、この連載でもそうですし、僕らの会社「カルペ・ディエム」は、この「頭の使い方」が上手になった人の方法論をみなさんと共有するものです。精一杯、この「知識の解釈の仕方」を共有させていただきます。
ただしみなさん自身も、われわれの話に対して「そうなんだ」と受け入れるのではなく、自分なりにしっかりと考えて、解釈して、今後ともぜひお付き合いいただければと思います。
西岡 壱誠 :現役東大生・ドラゴン桜2編集担当