生まれつき難聴の男性が”無音のサッカー”で日本代表に 補聴器を外して行う競技に出会って変化した思いとは
デフサッカー日本代表として
2023年のマレーシアで行われた世界ろう者サッカー選手権大会で、準優勝に大きく貢献する得点を決めた湯野さん。デフサッカー日本代表であることをどのように捉えているのかについて聞いてみました。 「形は違えど、小さいときから掲げていた”日の丸を背負って戦う”という夢を叶えられたのですごく嬉しかったです。その反面、責任がすごく伴います。1つのパスミスや判断ミスが失点に繋がり負けにつながることもあるので、日の丸を背負っている以上、責任感をしっかり持って試合に臨んでいます」 夢を叶えることができた嬉しさの反面、代表ならではの責任感もあるようです。 また、湯野さんがデフサッカーに出会ってから、気持ちに変化があったそう。 「ろう者と会う機会が増えたことで、自分も手話を覚えることができて新たな発見がたくさんありました。手話を用いて話すことが今ではすごく楽しいし、誇りに思います」と湯野さん。 湯野さんは、現在手話教室を開いています。デフサッカーに出会った2018年から、たくさんのろう者と出会い、見て真似しての繰り返しで2年ほどで手話を覚えたそうです。 2年ほど前に、湯野さんがサッカー選手として活動していた山口県下関市で「手話を勉強したい」という声があり「手話で話せる場を作ろう!」と、手話教室の企画を始めました。 ろう者の人と関わること自体がとても楽しく、自身を必要としてくれる人もいるため、すごく充実した時間を過ごせていると湯野さんは感じているそうです。
さらにパワーアップした姿を
「デフサッカー日本代表選手として結果を求め続けることはもちろん、障がいのある子どもたちへ夢や希望を与えられる存在になれるように努力したいと思っています。そして、個人的に2024年3月11日からドイツへ1年半程サッカー留学に行きます。ドイツは言葉もまったく通じない、サッカーのレベルもとても高い国なので楽しみです。ここでさらにパワーアップして第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025で皆様に感動と勇気を与えられるように頑張ります!今後とも応援よろしくお願いします」と、熱い思いを語ってくれました。 第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025は2025年11月25日と26日に開催されます。湯野さんのさらなる活躍を期待しましょう。 【参考資料】 JFA.jp『障がい者サッカー』
ほ・とせなNEWS編集部