ソフトバンクが上沢直之を獲得調査と報道も… 選手から「FA権の意味がなくなる」と反発の声
ソフトバンクが、日本球界復帰の可能性が出ている上沢直之の獲得に向けて調査を進めていることがスポーツ紙で報じられた。古巣の日本ハムを含めた争奪戦になりそうなのだが、現場からは違和感を訴える声が噴出している。 【写真】日本ハムからメジャー入りした2年後にソフトバンクに入団し物議を醸したのはこの投手 上沢は昨年オフに日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦したばかり。レイズとマイナー契約を結んでメジャー昇格を目指したが、オープン戦で結果を残せず、開幕メジャーを逃すとレイズを退団。開幕前に金銭トレードでレッドソックスに移籍した。メジャーで2試合登板したが5月にマイナーに降格し、3Aでもアピールできずに退団した。 来季の所属球団は日米含めて決まっていないが、「スポニチアネックス」のインタビュー記事で「現状は日本の方に気持ちは傾いているかな」「どの空団でも話を頂けるのであれば、一度話を聞きたい」と話したことが報じられた。日本復帰となれば、日本ハム時代に2度の2ケタ勝利をマークするなど通算70勝をあげ、先発ローテーションで稼働してきただけに、先発投手がほしい球団の争奪戦になるとみられていた。 ■「争奪戦には違和感を覚える」 ソフトバンクは投打がかみ合い、圧倒的な強さで4年ぶりのリーグ優勝を飾ったが、今オフに石川柊太がFA権を行使してロッテに移籍。上沢は日本ハム時代に何度も対戦してきただけに、力量を把握している。石川が抜けた先発陣の補強に向けて動くことは十分に考えられる。 巨人の動向も気になる。今年15勝で最多勝に輝いた菅野智之がこのオフにFA権を行使してメジャーに挑戦する。菅野が抜けた穴を埋めるのは容易ではないが、上沢は即戦力で計算ができる。先発陣の層が薄いヤクルトも補強ポイントに合致する。古巣の日本ハム含めて争奪戦に発展しそうな事態になっている。 ただ、現場からは複雑な声が聞こえる。在京球団のコーチは語気を強める。 「上沢が争奪戦となっていることに違和感を覚えます。だって日本ハムに戻るのが筋でしょう。ポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦したすべての選手が、日本球界に復帰する時に古巣に戻れという話ではないですよ。彼の場合はポスティングでマイナー契約だったから日本ハムに95万円の譲渡金しか入っていない。米国で1年足らずしかプレーせず日本球界復帰で、『日本ハム以外の球団の話も聞きたい』はおかしいでしょう。FA権を取得していないのに、こういった形で国内他球団に移籍したら悪しき前例になります」