吉高由里子「源氏物語」執筆開始は「まひろの第2章の始まり」【「光る君へ」インタビュー】
吉高由里子「源氏物語」執筆開始は「まひろの第2章の始まり」【「光る君へ」インタビュー】 1/2
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。中盤を迎えた物語は、主人公・まひろ/紫式部がついに「源氏物語」の執筆を開始し、第三十二回では内裏にも出仕することになった。大きな一歩を踏み出したまひろの今後が気になる今、演じる吉高由里子が、撮影の舞台裏も含め、転機を迎えたまひろへの思いを語ってくれた。 -第三十一回「月の下で」で、まひろがついに「源氏物語」の執筆にとりかかりました。全国の視聴者が期待していた場面ですが、撮影に臨んだときのお気持ちは? まひろが『源氏物語』を思いついた瞬間、上から無数の和紙が落ちてくる場面は、これまで積み重ねてきたものがようやく結実し、演じながら早く映像を見たいと楽しみだったほど気に入った場面です。何時間かけてもいいと思ったくらいで、終わるのが惜しかったほどです。おかげで、「これで前半が終わる」という気持ちと同時に「第2章が始まる」という気持ちも湧き上がってきました。 -その撮影を境に、まひろの第2章が始まったと? 「いよいよ」という気持ちになりました。衣装もいる場所も、毎日目にする風景もガラッと変わったので、第2章に押し出されたような気持ちに自然となっていきました。 -「源氏物語」の執筆がこれから進んでいくと思いますが、今後の注目ポイントは? 第二十一回で「枕草子」の誕生が美しく描かれていたので、それに負けないように、帝(=一条天皇/塩野瑛久)に献上する本ができるまでの過程を丁寧に、時間をかけて撮りました。視聴者の方にも面白く見ていただけるのではないかと思います。 -まひろは当初、帝が読むための物語を書いていましたが、第三十二回で「自分のために書く」と道長に告げます。その理由はなんだったのでしょうか。 帝のために書くことに、自分の中で違和感が出てきたんだと思います。作家の方が、「書きたい」という気持ちにたどり着くのは、とても大変なことです。書きたい気持ちがあっても、書きたいものが明確でないと書けませんし。まひろも、最初は「頼まれた役割を果たそう」と書き始めたものの、物語と向き合う中で、インスピレーションが湧き上がってしまったのかなと。それに夢中になったまひろにとって、帝のことはどうでもよくなってしまったんでしょうね。