レトロ自販機の聖地群馬県の名店!「オレンジハット藪塚」に行ってきた!|レトロ自販機の旅
【レトロ自販機の旅09 オレンジハット藪塚】 このコーナーを楽しみにしている読者の皆さんは群馬県がレトロ自販機の聖地であることはご存じだろう。そして、その中でもオレンジハットが一大チェーン店であることも当然のように知っていると思う。 【画像27枚】オレンジハット藪塚のめん類自販機は2台稼働しており、1つはベーシックな「うどんそば」で、もう一方は「うどんラーメン」となっており、取材時のラインナップは「きつねうどん」と「醤油ラーメン」になっていた。ラーメンの麺はもちろんミトミ製で、少し太めのストレート麺。醤油は濃いめの関東風となっている。ミトミ製のため、取り出し口から出た直後は麺の下に具材が潜り込んだ状態となっているため、麺だけのように見える 自販機店の有名店「オレンジハット藪塚」がその名を知らしめたのは、めん類、ハンバーガー、トーストサンド自販機の御三家が揃っていることだけではない。国内最後のかき氷自販機が稼働していたためだ。残念ながらかき氷自販機は2012年に動かなくなり、撤去されてしまったが、それまで稼働していた理由はオーナーの能力によるところが大きい。 もともとエンジニアだったオーナーは、生産中止となりメンテナンスもままならなくなった自販機を修理して運用。自分で図面を引いて、動かなくなった自販機を稼働させ続けた。
メカニックと部品の確保が難しいのがレトロ自販機業界の課題だ
それだけではなく、市販冷蔵庫の触媒やコンプレッサーを流用し、冷やしたぬきそばやコーヒーの氷製作なども実現。 冷蔵庫と電子レンジを合わせ持った構造を持つハンバーガーの欠点も熟知しており「もうすぐで動かなくなる可能性が高いですが、直す手段は考えています」と言ってニヤリと笑う。 レトロ自販機をこの先も運用していくためにはメンテナンスする人、部品を作り出す人の両方が必要だが、この2つの能力を持つオーナーは頼もしい人材。 メカニックと部品という2つのキーワードが悩ましい旧車の世界に通じるところがあるレトロ自販機業界。 本連載でもっと人気が高まり、エンジニアが参入してくることを望む。 初出:ノスタルジックヒーロー vol.199 2020年6月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部