バラエティでも存在感を増すNetflix 出演芸人は「地上波でできないネタを安心してぶっ込めた」、ギャラも高額で「1桁違う」の証言も
地上波テレビに取って代わる存在として、存在感を高めているのが、米国発の「ネットフリックス(Netflix)」に代表される有料配信サービス。潤沢な予算をかけて制作されるドラマにスポットが当たることが多いが、バラエティの世界でもネットフリックスのパワーは止まりそうもない──。 【比較表】「ズボンのシミ」にもこだわる!? 地上波と配信の制作過程の違い
ネットフリックスに活躍の場を移すスタッフはドラマ畑だけではない。お笑いコンビ・千鳥主演でドラマとお笑いをミックスした異色の番組『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』のプロデューサーは、テレビ東京で『ゴッドタン』などを企画した佐久間宣行氏だ。佐久間氏は2021年に退社、「マイナビニュース」(2024年9月30日)でこう語っている。 〈ネットフリックスはコンテンツファーストですね。まずクリエイターとコンテンツを大事にしてくれるから、こういった演出がしたいということの相談が早いし、しやすい〉 『トークサバイバー!』に出演経験のあるピン芸人のチャンス大城が語る。 「最初に台本をもらった時はあまりの分厚さに驚きました。ドラマとお笑いを融合したバラエティですが、ドラマのシーンは地上波の再現ドラマ以上にお金をかけて設定を作りこんでいました」 番組の「攻めの姿勢」にも目を見張ったという。 「番組ではアンジャッシュの渡部建さんと共演しました。渡部さんを起用して、際どいネタでイジるところも配信ならでは。おかげで僕も安心して地上波ではできない風俗や下ネタの話をぶっ込めました」(同前)
「ABEMA」と地上波のギャラはそれほど変わらないが…
LGBTQに真正面から向き合った恋愛リアリティショー『ボーイフレンド』も大きな話題を呼んだ。 「『ボーイフレンド』は日本初の男性同士の恋愛リアリティショー。誤解を招くようなテロップや演出をしたら批難が集中する可能性のある難しいテーマで、地上波ではまずできない。9人の男性出演者を集める過程でも、それぞれと綿密な対話をして出演がまとまったと聞いています」(民放のバラエティ制作関係者) ドラマと同様にバラエティもギャラは高額だ。お笑いコンビ・ノンスタイルの井上裕介が語る。 「僕は配信でも広告があって無料で観られる『ABEMA』のバラエティ番組によく呼んでもらうのですが、ギャラは地上波のテレビとそれほど変わりません。ところがネットフリックスは別格で出演者のギャラが1桁違うと聞きます。番組のセットや大型の海外ロケなんかを見ても頭一つ抜けている」 近年はコンプライアンスを気にする地上波だが、「配信には大きな可能性がある」と大城は語る。 「配信だから何をやっても許されるとは思わないけど、配信では放送禁止用語やエグい話をギリギリまで攻めることができます。配信は芸人が自由に笑いを取ることができ、チャンスが広がる場なんです」 ※週刊ポスト2024年11月1日号