【バスケ】川崎との激闘を1勝1敗で終えたサンロッカーズ渋谷がCS進出に望み残す 田中大貴「どうしてもCSで戦いたい」
2勝9敗スタートから積み上げた勝ち星
なんとか、もってきた。 冒頭でも記したが、今シーズンの渋谷についてそう感じる者も少なくないのではないか。 シーズン前。田中やジョシュ・ホーキンソン、アンソニー・クレモンズといった補強を施し、新指揮官にはアルバルク東京を2度のリーグ制覇に導いたパヴィチェヴィッチ氏を招聘。気の早い一部からは優勝候補とすら目された。 ところが、ジェームズ・マイケル・マカドゥが故障(左肩関節後方関節唇損傷)により開幕から欠場したことや、ワールドカップに出場したホーキンソンのチーム合流が遅れたことでチームとしての練習がままならなかったこと、シーズン開幕後も陣容のコンディショニングがなかなか万全とはならず(ここまで全試合出場はクレモンズ、津屋一球、ベンドラメ礼生のみ)となるなどの要因が重なったことが苦しみを呼んだ。 開幕からの4連敗を含め、13試合で早くも10敗を喫した。マカドゥ不在のチームは10月下旬に急遽、43歳のジェフ・ギブスを獲得するも、リバウンドで低迷するなどインサイドゲームが展開できないことで安定感を欠く。順位は下位に沈んだ。 それでも、パヴィチェヴィッチHCのA東京時代から知られるディフェンスの強固さを中心として、黒星よりもより多くの白星を刻むようになった。3月末からは5連勝を記録。さらには4月中旬には中地区首位の三遠ネオフェニックスから連勝を挙げ、CS戦線に浮上してきた。 パヴィチェヴィッチ氏とともにアルバルクで優勝を含め幾度もポストシーズンを経験してきた田中は、2023-24が「今までに経験したことがないくらいいろんなことががある長いシーズン」で「CSなんてちょっともう、追いつかないかなというところだった」と認めた。 それでも、練習の厳しさで知られるパヴィチェヴィッチ氏が「チームをプッシュ」して戦い続けたからこそ現状の位置にまで上がってくることができ、「すごく充実した感情を持っている」と田中は、抑制された表情で語った。