【爪痕その後】台風10号から1か月…県内でも相次いだ土砂崩れの被災現場各地の状況は?(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
全国各地に甚大な被害をもたらした台風10号から1か月。静岡県内でも相次いだ土砂崩れは、今どうなっているのか取材しました。 海岸線に沿ってイチゴ畑が広がる静岡市駿河区根古屋では、台風10号の大雨の影響で斜面の土砂が崩れ、イチゴを栽培するためのビニールハウス16棟をのみ込みました。 (辻本 真生 記者) 「こちら被害のあった現場では、ビニールハウスが片付けられています。そして、二次災害を防ぐためにも復旧作業が進んでいるということです」 1か月たった今、斜面で崩れたビニールハウスは、ほとんどがきれいに片付けられていました。 (農園の土地を所有する 川島 正さん) 「当初のことを思えば、すごくきれいになったと思う」「これから、もうちょっと石垣の中にある土砂を片付けると思うが、それは来週くらいに市と話をしようかなと思っている」 一方、まだまだ復旧のめどがたっていないところも。 (日吉 勇人 記者) 「こちら、土砂が流れ込んだ熱海市の火葬場です。災害から1か月が経過しましたが、いまだに本格的な復旧作業には入れていません」 熱海市の火葬場では、8月30日の午後5時頃、施設の裏側で土砂崩れが発生。施設内に土砂が流れ込む被害を受けました。崩落した場所の安全対策が施されなければ復旧作業に入れないため、現在も立ち入り禁止が続いています。 (熱海市役所 市民生活課 荒田 一也 課長) 「現状は建物内に土砂の堆積、水の流れも止まっていない状況」「後背地の法面に県の施工で谷止工を施工する予定谷止工のスケジュールに歩調を合わせて熱海市も土砂の撤去水路の復旧に対応する」 市によりますと市内には他に火葬場はなく、現在、近隣市町で業務を受け入れているということです。 静岡市清水区村松にある鉄舟禅寺では…。 (辻本 真生 記者) 「静岡市清水区です。こちらのお寺では、現在も被害にあった当時と変わらない状態です」 鉄舟禅寺では大雨の影響で土砂が崩れ、47基の墓石が崩れてしまいました。現在も、崩れた墓石は手つかずのまま。復旧作業は、寺が、すべて自己負担で行わなければなりません。この1か月、檀家の意見を聞きながら、業者と復旧に向けての準備を進めてきました。そして、ようやく、今週から大がかりな復旧作業に入ることになりました。 (鉄舟禅寺 住職 世永 天山さん) 「まず、法面を全面ブルーシートの養生をする。そして下に大きな駐車場があるがそちらから25トンのクレーンを使って、お墓の一つ一つの墓石を整理する」「こういうことが2度とないように、一つ一つ確認をしながら工事作業も進めていただくように、こちらからもお願いをしたいと思う」 静岡市によりますと、台風10号に関する罹災証明は、9月30日までに105件申請され、そのうち97件が交付されていて、順次、復旧作業が進められます。