「朝食を食べない」人は"睡眠トラブル"を抱えやすい傾向に? 何を食べるのがいい?専門家が解説
現代人に多く見られる「睡眠」に関する悩み。本来必要な睡眠時間が取れていなかったり、上質な眠りにつけていなかったりしたせいで、「睡眠負債」の問題を抱えている人も多い。 【写真】睡眠のプロが解説する、快眠&朝すっきり起きられる16の習慣 また、睡眠不足に慣れてしまうと、眠気を感じなくなってくるという問題点もある。体にそういった影響が出てきたら、更なる悪循環を生む前に少しでも早く眠りとのトラブルはなくしたほうがいい。そこで、睡眠改善インストラクターで管理栄養士の篠原絵里佳さんが、質のよい睡眠のためのメソッドをわかりやすく解説。
重要な食事は「朝食」にあり
なぜ朝食がとても大切なのか。それは、睡眠の初期段階で成長ホルモンを分泌させるために「メラトニン」という体内リズムを整えるホルモンが必要になるからだ。 朝というタイミングがとても大事で、朝食のたんぱく質(トリプトファン)が、日中のあいだにセロトニンという物質を作り、セロトニンからメラトニンが作られる。メラトニンは光との関りが強く、朝、目覚めたときに光(太陽光)を見ることで、その14~15時間後に分泌される。 メラトニン分泌には、鉄やビタミンB6などの栄養素が必要だが、いずれも女性が不足しやすい栄養素。赤身魚(カツオ、マグロ、サバなど。ツナ缶でもOK)に豊富なので、意識してとり入れるようにしよう。 朝食を食べる習慣のない人は、豆乳や牛乳を飲んだり、ヨーグルトを食べることから始め、慣れてきたら、品数を徐々に増やしていこう。また、夕食は就寝3時間前までに終わらせるようにしたい。3時間を切っている場合は、脂質が少なく、消化の良いものを。 ・鉄:レバー、赤身肉(豚ヒレ肉、牛ヒレ肉など)、赤身魚(カツオ、マグロ、サバ、イワシ、ツナ缶など)、貝類(アサリやシジミの佃煮など)、大豆製品(豆乳、厚揚げ、納豆、木綿豆腐など)、青菜(ほうれん草、小松菜、水菜など)、卵 ・ビタミンB6:魚(鮭、カツオ、マグロ、イワシ、サバなど)、鶏肉、緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、カボチャ、ミニトマトなど) ・たんぱく質(トリプトファン):肉、魚、卵、大豆製品、牛乳・乳製品
女性の睡眠について
女性ホルモンの影響で、女性はよい眠りに就きにくいといわれている。特に生理前の2週間(排卵後~生理までの黄体期)は体温が高い時期で、夜も体温が下がりにくいため深い眠りに就きにくく、生理中は日中に強い眠気に悩まされることも多くなる。 更年期では、眠りに就きにくい・夜中に何度も目が覚めてしまう、といったことも起こりやすい。 日頃からリラックスできる眠りに就くための習慣をもっておくとよい。森林系の香り(ヒノキ、スギ、黒文字、サイプレスなど)やベルガモット、オレンジ・スイートなどのアロマアイルをティッシュに垂らして枕元に置いたり、ホットアイマスクをするなど、自分にあった方法を探してみよう。