“噛み癖”がある11歳の犬をトレーニングで奮闘中!元ガールズケイリンのドッグトレーナー「必ずどんな年齢の子でも変われる」
夜泣きがなくなった人気犬種の「ビバン」
次に、ビションフリーゼとトイプードルのミックスの、ビバンについて。この子は今、別の預かりボランティアさんのおうちに行っています。どうしてかというと、若いわんちゃんだと、ひとつのおうちの期間が長すぎると、本当のおうちが決まった時に不安になっちゃったりするんですね。そこで、いろんなおうちを経験して、環境の変化にも対応できるようにしています。私がお預かりしたときも、別のおうちを経て2軒目だったんですよ。 ビバンは1軒目のおうちでは夜泣きがすごくて手に負えなかったそうです。でも、トレーニングをして夜泣きすることがなくなりました! 私の家だけではなく、今別のおうちに行っても夜泣きはしていないと聞いて、安心しています。 ビバンの犬種はとっても人気で、しかも子犬なので家族になりたいという方はとっても多いそうです。でも、この犬種はたくさんお散歩が必要なんです! 時間に余裕がない方だとなかなか難しいですし、家族がいてもみんなの協力がないとたくさんお散歩するのは大変です。 家族みんなでたくさんお散歩をして、ビバンを幸せにしてくれるおうちが見つかるように、保護団体さんが一生懸命探してくれています!
11歳ヨーキー「パンタロン」の“噛み癖”
そして、ビバンがいなくなったあと、パンタロンという11歳のヨーキーを預かることになりました。パンタロンの問題行動は“噛み癖”。前のおうちで「噛んだら嫌なことをやめてもらった!」と学んでしまったのか、ちょっと嫌なことがあるとパクッと嚙んじゃうんです。 保護団体さんに、パンタロンと過ごすことで私も成長できるんじゃないかと提案していただいて、新しいおうちが決まるまでお預かりすることになって、1か月経ちました。 初日はすごく怯えていて、アイコンタクトもとれない。抱っこができても、抱っこ中に近くを通った人を噛もうとしたり。でも、毎回噛むわけじゃないんです。わんちゃんは言葉が喋れないから、何が嫌で、どうして噛もうとしているのかっていうのを、こちらが探っていかなければいけないから大変だけれど、それがすごく楽しくて! わんちゃんもそれぞれ性格が違うから、ちこちゃんやビバンとは違う、パンタロンに合うやり方を、時間をかけて見つけている段階です。 1か月経って、パンタロンが噛もうとするタイミングがなんとなくわかってきました。嚙んじゃった時には「噛むのはだめだよ」と教えて、噛む以外に「嫌だ」と伝えるやり方をトレーニングをしています。 私はパンタロンを一時的に預かる役割をしているので、一生一緒にすごせるわけではありません。新しい家族が見つかった時に「パンタロンは噛み癖があったけれど、こんな風にしたらパンタロンは噛まないでいられます」と伝える、“パンタロンの教科書”みたいなものが作れたらなと思っています。 子犬だったビバンと比べると、ちこちゃんやパンタロンは覚えるのに時間はかかります。でも、時間はかかるけれど、必ずどんな年齢の子でも変われるんです!引っ越しや生活の変化で飼い主さんから手放されて保護された子たちを何匹も見てきました。でも、わんちゃんとうまく関係が築けていれば、違った選択もできたかもしれません。今後はそういう理由で手放されてしまうわんちゃんを減らすためにも、ドッグトレーナーとしてアプローチしていきたいです。それが、保護犬たちを減らすことにも繋がるのかなと思っています。