根岸季衣、“覚醒”が話題のホラー映画で最強ばあちゃんに。放送禁止用語連発で大暴れ「これは楽しいぞ」
太極拳で“霊”と壮絶バトル
かつてないほど最強のおばあちゃんを演じた映画『サユリ』が公開中。念願だった夢のマイホームへと引っ越した神木家だったが、次々と不可解な現象が勃発し、家族が一人ずつ死んでいく。神木家を恐怖のどん底に突き落とすのは、この家に棲みつく少女の霊“サユリ”だった。そして中学3年生の則雄(南出凌嘉)は祖母・春枝(根岸季衣)とともにサユリへの復讐戦に挑むことに…という展開。 これまでのホラー映画のイメージを覆す痛快な作品。突如覚醒し、スクリーンで暴れ回るハードボイルドなおばあちゃんぶりが話題に。 「台本の中で、私が覚醒したところで、『古いロックが流れる』って書いてあったんですよ。それもカセットでって言うから、『おーっ、やったー!これは楽しいぞ』って思って(笑)。そこで一番乗っちゃいましたね。 監督は私に『どうですか?』ってお話を持っていこうと思っていたら、『ここはジャニス(ジョプリン)で行きましょう!』なんて先に言っちゃったものだから、あまりにも前のめりでびっくりしたみたいなことをおっしゃっていました(笑)」 ――ファッションもファンキーでロックなカッコいいおばあちゃんでした。ホラーだから怖いんですけど、気持ちいいというかおもしろいですね。 「ありがとうございます。いろんなことをやらせていただいておもしろかったです。かなり評判もよくてうれしいですね。『大丈夫かな?ちゃんとやれているのかな?』って不安な感じがあったんですけど、見てくださった方が、『ばあちゃんすごい。怖いけど最強!』とか、色々言ってくださってうれしいです(笑)」 ――『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)を知っている世代の人はかなり驚くでしょうね。禁句の四文字のセリフも多くて。 「『ふぞろいの林檎たち』が大好きな人には、病弱でかわいそうな暗い人だと思われていますからね(笑)。反対どころか、すごいことになっていますよね。 私はホラー作品が結構多いんです。今年は『変な家』(石川淳一監督)もあったし、一番古いのは長崎(俊一監督)さんの『死国』という作品。あそこらへんからちょっとババア歴がつながっているんですけどね(笑)」 ――『サユリ』の撮影現場はいかがでした? 「みんな合宿で、とにかく『サユリ』しかないっていう状態で撮影していました。今は熱海に住んでいるので、車だったら30分ぐらいのところだったんですけど食料の調達だけで全然帰らなかったですね。自分の家に泊まる気に全然ならなかった。3週間ぐらいだったかな。 部屋に調理ができる設備があったので、そこで自炊みたいなことをしながらやっていました。やっぱりそれだけ他のものを入れずに集中できる時間というのは、役者にとっては幸せな時間ですよね」 ――撮影期間中は、怖い夢を見たりしなかったですか。 「疲れているから、終わったらもうすぐに寝るみたいな感じで(笑)。あとは鍼の先生に来てもらったりしていましたね。同じ伊豆だったので、熱海でかかっている先生に通って来てもらって」 ――太極拳のシーンとか、結構アクションもありましたものね。 「そうなんです。実はすごいおばあちゃんで、太極拳で何人も倒したことがあるという設定だったので、太極拳の練習をしすぎて筋肉痛が結構大変でした」 ――完成した作品をご覧になっていかがでした? 「初めて見たときというのは冷静じゃないんですよね。俯瞰(ふかん)で見られないし、『どうなんだろう?』って、マネジャーに聞いたりしていたんですけど、予告編ができたら『あれっ?イケてるんじゃないか』みたいな感じになって(笑)。評判も良いって聞いて。 感想を書いてくださる方がすごく褒めてくれているので、ちょっと図に乗って、今いい気持ちになっています(笑)」 ――ホラー映画ですが、気持ちが明るくなって元気になるというのはいいですよね。 「そうですね。とくにシニア層は元気になるんじゃないかな。若い人も結構『元気が出ました』って書いてくれたりしていますよ」
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