〔NY外為〕円、149円台後半=一時1カ月ぶり高値(29日)
【ニューヨーク時事】休場明け29日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、日米金利差の縮小観測を背景に円買い・ドル売りが進行した海外市場の流れを引き継ぎ、一時1ドル=149円47銭と10月下旬以来約1カ月ぶりの円高水準を付けた。午後5時現在は149円68~78銭と、前営業日同時刻(151円08~18銭)比1円40銭の大幅な円高・ドル安。 この日は米感謝祭に伴う休場と週末の谷間で、株式や債券市場も短縮取引となり、市場参加者は少なかった。 総務省が29日発表した11月の東京都区部消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.2%上昇し、伸び率は3カ月ぶりに拡大。統計などを受けて市場では日銀が早期に追加利上げに踏み切るとの見方が強まった。一方、米国では連邦準備制度理事会(FRB)が年内に追加利下げを決定するとの見方が優勢となる中、米長期金利が低下。円買い・ドル売りが進んだ。 今月は大統領選挙で共和党のトランプ候補が勝利し、インフレ再燃懸念が強まる中でドルは上伸。ただ、今週はポジション調整などによる売りも出やすかった。 市場関係者は「今後の米国の金融緩和の行方を見極めるため、来週発表される11月の米雇用統計を注視している」(日系金融機関)と述べた。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0571~0581ドル(前営業日午後5時は1.0561~0571ドル)、対円では同158円22~32銭(同159円69~79銭)と、1円47銭の円高・ユーロ安。