Media Briefing[日本版]:📦【怪しい伝説】🍪 プライバシーサンドボックスはサードパーティCookieの代替品ではない?
怪しい伝説2:プライバシーサンドボックスはCookieレスのギャップを本当に埋められるのかはわからない
事実:その通り ギャップを埋めてくれるかもしれないと言ったばかりだが、IAB Tech Labのレポートではプライバシーサンドボックスだけでギャップは埋め切れないと指摘されている。 レポートによると、現在のプライバシーサンドボックスの内容では、Cookieベースでの広告配信面の保証や予算・請求管理をはじめとする40以上に及ぶユースケースのうち、およそ30がいまのところプライバシーサンドボックスでサポートされていないという。 このギャップ分析の資料を目にしたとある匿名の関係者によるコメントによると「最大の埋められないギャップはレポーティング」だという。 「パブリッシャーは売上計算に必要なデータをどうやって手に入れるのか? どのくらいすぐに手に入るのか? それはうまくいくのか? (中略)レポーティングという観点からみると、広告主にとってのサンドボックスは現状では孤立した存在だ」。
怪しい伝説3:プライバシーサンドボックスがCookie亡きあとのウェブ標準になり、確立された「手堅い選択肢」となる
誤解:本当にそうなるかは微妙なところ Googleの説明によると、プライバシーサンドボックスはそれ自体が単一のシステムやプログラムとなっているわけではなく、業界関係者による議論とテストを重ねることを目的とした30以上の「提案」で構成されている。 提案の中身はさまざまだが、Protected Audience API(Cookieレスのリターゲティングプロトコル)やTopics API(Cookieレスのコンテキストターゲティング広告)、Attribution Reporting API(コンバージョン測定に用いられるAPI)、プライベートステートトークン(ユーザーの信頼性を保証し、botと人を区別する)などが特に重要な提案だとみなされ、アドテクベンダーやパブリッシャー、エージェンシーによるテスト対象となっている。 いっそ、その他の代替ソリューションのように、必要そうな提案や自分たちに有用そうな提案だけを受け入れてはどうだろう。前述のように最優先の提案もある一方、チェックの労力と時間をかける価値がない提案も多いと指摘する声もある。 だがそうもいかない。プライバシーサンドボックスにおける提案は「大規模に導入」されない限り、ウェブ標準にはならないのだ。今後のアップデートで、プライバシーサンドボックスはどこまでギャップを埋めてくれるのだろうか。
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編集部