「Xperia 1 VI」レビュー - 「Xperia」らしさをなくしたのではなく、普通のスマホの皮を被った「Xperia」に進化した
ソニーのフラッグシップスマートフォン新製品「Xperia 1 VI」が発表されました。シリーズ名が変わってもおかしくないほどガラリと内容が一新された注目製品です。これまで通りのスタイリッシュなボディにハイエンドスペックを詰め込んだ「Xperia」の最新モデルを、試用機でチェックしてみました。 【写真】カメラ部。中央のメインカメラが昨年登場のExmor T、超広角カメラと望遠カメラがExmor RSというのは前モデルと変わりませんが、望遠カメラが85~170mmの光学ズームレンズとなりました
■細長いディスプレイが普通になって、省電力で明るく 「Xperia 1 VI」は、一見すると普通のスマートフォンのようです。これまで、21:9という細長い高精細な4Kディスプレイを採用していたのですが、今回は19.5:9のFHD+という、いたって一般的なスペックになりました。ディスプレイサイズは6.5型です。
4K/21:9のディスプレイは、どちらかというと映画のような横向きの映像を重視したスペックではありました。それに対して、SNSや縦コンテンツが流行したことで、縦長よりもより一般的なアスペクト比が適しているという判断に至ったようです。
4KからFHD+になったことで、消費電力の削減や1~120Hzの可変リフレッシュレートの対応といったスペックも向上。テレビの「BRAVIA」で培った映像表現は従来通り盛り込まれており、「BRAVIA」の色彩/質感/立体感を再現していると言います。 ■本体側面
確かに精細感は以前よりも物足りない印象ですが、立体感のある映像表現で、高級スマートフォンとしては十分な没入感が得られます。1~120Hzの可変リフレッシュレートも、消費電力の削減効果が期待できそうです。 また、FHD+になって明るさが向上したということなのか、ディスプレイは前モデル比で50%も明るくなったそうです。結果として明るい場所での見やすさが改善されました。 とはいえ、せっかくの21:9という特徴がなくなったのは物足りないという感じもします。ここは重要な変更なので、市場でどのように受け入れられるかは気になるところです。 5,000mAhのバッテリーを内蔵して動画再生時間は36時間以上とのことで、これまでの「Xperia 1 V」の17時間に比べて倍増。ディスプレイだけの違いではないかもしれませんが、省電力性能が大幅に改善されているようです。 内部にはXperia 1シリーズで初めてというベイパーチャンバーを内蔵。放熱性能が向上しているので、夏場の屋外での利用などで威力を発揮するでしょう。これまで、放熱が間に合わずにカメラが起動しない/終了するといった問題もあったので、それが改善されていることを期待できそうです。 SoCはSnapdragon 8 Gen 3。キャリア版のメモリは12GBでストレージは256GB。SIMフリーのメーカーモデルとして16GB/512GB、12GB/512GBという構成のモデルも投入されます。 パフォーマンス面ではまったく問題ありません。試用機はベンチマークができなかったのですが、スペック的には問題ないはずです。ただ、このあたりは使い込まないと熱問題も含めて分からないところではあります。 ■「Pro」カメラアプリが統合され、“普通”のカメラアプリに カメラ機能はソフトウェア面で大幅にリニューアル。これまで、「Xperia 1」のカメラアプリとしては「Photography Pro」「Videography Pro」「Cinematography Pro」が搭載されてきましたが、これが「カメラ」アプリに統合されました。