国立小学校と私立小学校、うちの子はどっち向き? 違いを徹底比較
小学校受験といえば国立・私立小学校ですが、この2つの違いは学費だけではありません。それぞれの特色や違いを知り、お子さんにとってベストな進路を考えていきましょう。 私立小学校教諭として18年勤務されたなごみゆかりさんが、国立小学校と私立小学校の違いを解説します。 ※本稿は、なごみゆかり著『忙しいママでもできる! 私立小学校を受験しようと思ったら読む本 』(日本能率協会マネジメントセンター)から、一部抜粋・編集したものです。
全小学校中0・35%の国立小学校、1・3%の私立小学校
令和4年時点で、全国の小学校は、19,161校あります。そのうち、国立小学校は、全国で67校。東京でもたった6校しかありません。ちなみに、公立小学校は、18,851校で全体の98%を占めます。国立小学校が極めて少ないのがわかります。 同じく令和4年時点で、私立小学校は、全国で243校。全体の1.3%です。全国の小学生のうち、100人に1人が私立小学校に通っている計算です。これまた非常に少ないのがわかります。ただ、国立小学校は、年々減少傾向(公立小学校に至っては激減)にある中、私立小学校だけは年々創設が進み、着実に増えているのです。
国立小学校の特色
国立小学校の特色は、何より教育の最先端を研究する教員がいることです。「基礎的な内容の学習」と言うよりは、教員の独自の研究のため、ハイレベルな内容であることも多く、さらには教員の研修(全国の先生、もしくは首都圏の先生対象の研究授業)のため、土曜日も学校に行くことが多いのです。また、母体の大学の教育実習生を多く受け入れるため、授業に集中できないときがあるかもしれません。実習生に手紙を書くなど、家庭学習でフォローが必要になることも。 子どもたちは、試験を通過したこともあって、「文武両道」のような形で、学習も運動も平均的にこなせる場合が多いようです。国立小学校は大学付属ですが、エスカレーター式に内部進学できる制度ではありません。通学範囲も定められていて、学校から40分以内に通える場所に居住している、などの条件がある学校も。学費に関しては、入学金はありませんが学校により寄付金のようなものがある場合もあります。公立よりは制服代などをはじめ学費がかかります。