市川の乳児遺体放置 母親に懲役2年6月、執行猶予4年 自宅で出産、クローゼットへ 「相談するの怖かった」 千葉地裁判決
千葉県市川市の住宅で生後間もない女児の遺体が見つかった事件で、死体遺棄と保護責任者遺棄の罪に問われた、女児の母親で無職の女(22)の判決公判が19日、千葉地裁であった。一場修子裁判官は「女児の生存可能性を奪った結果は重い」として懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。 判決によると、5月30日~6月1日、被告は市川市の自宅で女児を出産したが生存に必要な処置をせずに放置し、その遺体をタオルなどで巻いてスーツケースに入れ、自室のクローゼットに隠して遺棄した。 公判での検察側の冒頭陳述によると、昨年11月ごろに被告の妊娠が判明。被告は中絶を検討するも金銭的な余裕がなく、家族や交際者にも相談しなかった。出産後には女児の遺体にタオルを巻き、腐敗臭が漏れないように保冷剤と一緒にスーツケースに入れた上で隠していた。 被告人質問で相談や中絶の対応が遅れた理由を問われると、被告は「(相談して)家族や交際相手にどのような反応されるか怖かった。自分の都合を優先して中絶ができない期限まで来てしまった」と説明。「自分が適切な対応をしていればちゃんと生きていたかもしれないので、とても後悔しています」と述べた。 弁護側は被告が出産後に乳児への対処法をインターネットで検索し、犯行が計画的ではなかったなどとして執行猶予を求めていた。 一場裁判官は量刑理由で「家族に相談するなど容易に取れる手段があったにもかかわらず、問題を先送りにした。身勝手で無責任」と指摘した上で「あなたがきちんとしていれば赤ちゃんが生きている可能性はあったと思う。その重大さを認識して忘れずにいてほしい」と被告に語りかけた。(本紙・千葉日報オンラインでは容疑者実名)