伝説級の踏切渋滞→“一瞬”に!? 東京を変えた「ワープ道路」3選 組み込めばめっちゃ時短に!
臨海部―都心ひとっ飛び「環2通り」
そもそもは「世界都市博覧会(都市博)」を起爆剤に街作りが進むはずだった臨海副都心は、バブルの崩壊による進出内定企業の辞退、さらに青島都知事による都市博中止決定などで、その開発は1990年代後半まで迷走していました。 しかし1996年の東京ビッグサイト開業以降は商業施設がつぎつぎにオープンし、人気の観光スポットとなります。ただ都心からのクルマでのアクセスは、晴海通りから東雲をぐるりと回るか、レインボーブリッジを使うかに限られ、「距離の割に時間がかかる」のが難点でした。 しかし2022年12月、新たなアクセスルートとして環状第2号線の「築地虎ノ門トンネル」および「築地大橋」「豊洲大橋」などからなる「環2通り」が開通、交通状況が一変します。 環2通りは「虎ノ門二丁目」交差点で国道1号桜田通りと交差したあと、国道15号第一京浜、都道316号海岸通りをトンネルでパス。築地で地上に出てからは、高層ビルの間を高架で駆けぬけ、清澄通りと朝潮運河を立体交差と橋で一気に越えます。 「月島警察署前」でひさびさに信号に出迎えられたあと、豊洲市場の青果棟と水産棟の間を抜ければ、有明は目の前です。この間の所要時間は15分ほどしかかかりません。 さらに南側の湾岸エリアである大井や八潮から都心への一般道でのルートも、これまでの海岸通りではなく、有明から環2通り経由が最速となるなど、湾岸エリア全体の交通状況にも大きなインパクトをもたらしています。
「東京臨海道路」って、知ってますか? アノ橋を使わない手はない!
23区内にある片側2車線の立派な幹線道路ながら、まだまだ知名度の低い道路が、この「東京臨海道路」です。 その理由は、やはり「沿線に目的地となるものがないから」に尽きるでしょう。 起点は羽田空港に近い、大田区城南島。そこから北東に走り、伊豆諸島や小笠原諸島を結ぶフェリーが行き交う東京港の航路を「臨海トンネル」でくぐります。そして令和島(中央防波堤外側埋立地)で地上に出て、中央防波堤と青海・お台場方面を結ぶ「青海縦貫線」と立体交差します。 以降は「臨海中央橋」「東京ゲートブリッジ」で、東京都心を左手に見て進み、終点の江東区若洲で「新木場若洲線」につながります。城南島から新木場駅付近までは、空いている時間帯であれば、わずか15分。湾岸エリアの一般道での東西移動時間が大きく短縮可能です。 ただしこの道路は、コンテナ船の入出港がからむ時間帯など、非常に混雑することもあります。いったん渋滞に入り込むと他の道路に抜け出すことは事実上不可能になるため、利用の際はスマホアプリなどで道路状況を確認するようにしましょう。 ※ ※ ※ 以上、東京23区の「ワープルート」をお届けしました。もう開発する余地がないと思われがちな東京ですが、今後もまだまだこうした道が新規開通し、もっと便利になるかもしれません。まだ見ぬ未来に期待です。
植村祐介(ライター&プランナー)