おもてなし力向上へ スタッフが手話学ぶ 和歌山県白浜町のホテル
聴覚障害者にも気持ち良く観光してもらおうと、和歌山県白浜町のホテルシーモアは、ホテルのスタッフ対象に手話講座を開いている。たなべ聴覚障害者協会の愛瀬貞夫会長らが、手話の基本文法やホテルで使う接客用語などを教えている。 【夏の観光客 4年ぶり減 猛暑や地震臨時情報で 和歌山県内の記事はこちら】 ホテルシーモアは10月から初めて手話講座を開催。来年1月16日までの計10回予定している。 14日には4回目の講座があり、スタッフ9人が参加。愛瀬会長(69)と妻の幸子さん(71)、手話通訳者の安田麻由美さん(39)が講師を務めた。 スタッフは、前回のおさらいとして、手話で自己紹介をした後、ホテルで使う「いらっしゃいませ」「何かお手伝いしましょうか」「お待たせしました」などの手話を学んだ。 スタッフは、仕事でよく使うレストラン、フロント、エレベーター、バイキングといった単語を手話でどう表現するかなど、熱心に質問していた。 ホテルでフロントを担当している宮本芽衣さん(31)は「先日、実際に聴覚障害者のお客さまを接客する機会があり、自分の手話が通じてうれしかった。もっと手話を覚えたい」と話した。 協会は、聴覚障害者について理解を深めてもらおうと田辺・西牟婁の小学校や中学校、病院などでも手話講座を開いている。 愛瀬会長は「人と人がお互いにより良い関係を築くためには、まず相手の言語を知ることが大切だと思う。手話を一つでも二つでも覚えてもらえればうれしい」と話した。
紀伊民報