謎の隠し扉、大量の家財道具にゴミの山…「築150 年の巨大すぎるゴミ屋敷」から出てきた「驚く事実」。90代の父が暮らす実家をついに片付けた!
すると、「私も最近まで知らなかったんですが……」と、男性が不用品の入ったダンボール箱の下を指さす。どかしてみると床が四角の形に外れるようになっていて、そこからヒモを吊るしてモノを搬入していたそうだ。 ■片付けたくても片付ける術がなかった 現場に入ったスタッフは7名。屋根裏は上に2人、下に2人の計4人で、ヒモを吊るして家具を1階に下ろしていく。1日だけではすべてトラックに積み込むことができず、作業は2日目に突入した。
これだけ大量のモノがあれば、高齢の男性一人だけではどうすることもできなかったことは容易に想像がつく。何かきっかけがないことには手をつけられないほどの物量だが、思い切って片付けるに至った理由は何だったのだろう。 娘に説得される形で片付けることになったという男性が話す。 「私の健康状態が気になったし、歳も歳ですしね。もうこの際、やっておかないと。長年生まれ育った家なので古いものがそれなりにあるのはわかっているもんですから。子どもの世代になったときに片付けるのも大変だということで、片付けることにしました」
はじめは乗り気じゃなかった男性も、見て見ぬフリをできる物量ではないことに気づいてはいたのだ。これだけ大きな屋敷では借り手もつかない。子どもに相続するとなったら、売りに出すしかないだろう。しかし、この残置物の量では娘に迷惑をかけてしまう。 「私の親父も整理したかったんじゃないか」 男性は運び出されていくモノたちを見ながらそう言った。しかし、片付けたくても片付ける術がなかったのではないか。それは、ゴミ屋敷清掃という職業が今ほど普及していなかったし、認知もされていなかったからだ。
■世の中にゴミ屋敷が増えた理由 高齢化、単身世帯の増加、共働き夫婦の増加などによってゴミ屋敷清掃の需要は年々高まってきているが、二見氏によればそこにはもうひとつ大きな要因があったという。 「自治体によって時期は違うんですが、粗大ゴミの処分が有料化されたことでゴミ屋敷やモノ屋敷は一気に増えたはずです。昔は粗大ゴミの日にゴミ捨て場に出しておけば回収してくれましたが、今は自治体が指定するシールを購入して、貼って……と、工程が増えたうえにお金までかかるようになりました」