GT500ダンロップ&NAKAJIMA RACINGが3年ぶりPP! 伊沢拓也&大草りきが雨の予選で輝く|スーパーGT第8戦もてぎ:公式予選レポート
11月2日、スーパーGT第8戦の公式予選がモビリティリゾートもてぎで行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、GT500クラスが64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)、GT300クラスが31号車apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)だった。 【リザルト】スーパーGT第8戦もてぎ:公式予選タイム結果 第5戦鈴鹿が12月に延期されたことにより、今回の第8戦もてぎは最終戦ではなく、ハーフウエイトの7戦目として行なわれる。そしてレースウィーク土曜日の天候は、ここ最近のレースと同じく雨。午前中の公式練習ではコースアウトが続出し、6回もの赤旗が出された。予選がスケジュール通り開催できるかも心配されたが、ひとまず定刻の14時にGT300クラスのQ1がスタートした。 ■GT300クラス GT300はシーズン後半戦からのレギュレーション変更により、Q1は組分けが行なわれず、全車が一斉にコースイン。ただ路面の水量はかなり多い状況であり、コースオフする車両が各所で相次いだ。そして20分のセッションが残り8分というところで赤旗中断となった。 この時点でのトップタイムは、ケイ・コッツォリーノが1分58秒352をマークした45号車PONOS FERRARI 296。2番手は7号車Studie BMW M4であり、ウエットコンディションで強さを見せるミシュランタイヤ勢の1-2となった。 セッションは14時35分に残り10分に巻き戻される形で再開され、各車タイムを上げていった。そんな中、残り2分というところで9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGがコースオフしたことで赤旗が出され、そのままQ1は終了となった。 トップタイムは45号車PONOSフェラーリで変わらずだが、2番手にはランキングトップで50kgのサクセスウエイトを積む65号車LEON PYRAMID AMGが食い込んできた。一方、その65号車とタイトルを争うランキング2番手の2号車muta Racing GR86 GT、3番手の88号車VENTENY Lamborghini GT3は共に下位に沈み、Q2ではロワー組に……つまり彼らは15番手以下のグリッドが確定してしまったことになる。なお、今回の予選はウエットコンディションにつき、GT300においてはタイム合算方式が採用されない。 Q2は15番グリッド~27番グリッドを決するロワー組からスタート。まずはミシュラン勢の20号車シェイドレーシング GR86 GTの平中克幸がただひとり1分59秒台をマークしてセッションをリードした。 結局ロワー組の最速は20号車シェイドで15番グリッドを確保。その後ろには2号車mutaと88号車JLOCが続いた。タイトルコンテンダーの2台にとっては痛いロワー組行きだったが、なんとかダメージを最小限に抑えた形だ。 続いてポールポジションを決めるアッパー組がスタート。まず速さを見せたのは、Q1最速の45号車PONOSフェラーリ。女性ドライバーのリル・ワドゥーがセクター1、2と最速ペースで周回したが、後半セクターで伸びず。翌周以降もポールポジション争いに加わることはできなかった。 セッション終盤は目まぐるしく順位が変わる中、ポールを勝ち取ったのはaprの31号車を駆る小高だった。小高は1分57秒322をマーク。昨年から投入されたLC500h GTに初のポールポジションを届けた。2番手は7号車Studie、3番手は18号車UPGARAGE NSX GT3。ポイントリーダーの65号車LEONは4番手となった。 ■GT500クラス GT500のQ1は、GT300のQ1の中断もあって25分遅れの14時53分にスタートした。わずか10分間のセッションだが、ウエットコンディションの中で各車が精力的に周回し、タイムを削っていった。 まず際立った速さを見せたのが、ランキング3番手につける100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野任祐。1分50秒898でトップに立つと、さらに1分50秒445までタイムを縮めた。しかしライバル勢もセッション終盤にタイムを上げていき、特に14号車ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺は1分50秒を切ってみせた。 14号車ENEOSスープラがトップでQ1終了かと思われた中、GT500で唯一のダンロップタイヤユーザーである64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの大草りきが1分49秒255をマークしてトップに浮上してセッション終了。公式練習でもトップと好調な64号車が、これ以上ない形でQ2に進むこととなった。2番手は14号車、3番手は8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTだった。 Q2でも64号車Moduloシビックは速さを見せ、伊沢がセッション早々に1分49秒台のタイムをマーク。その後もライバルのタイム向上に負けじとラップタイムを縮めていった。最終的にQ2の最速タイムは8号車ARTAの松下信治がマークした1分48秒077だったが、伊沢も3番手タイムを記録し、合算タイムでのポールポジションを獲得した。NAKAJIMA RACING、そしてGT500のダンロップにとっては2021年以来3年ぶりのポール獲得となった。 2番手はQ2最速の8号車ARTA。3番手は、Q2で山下健太が2番手に食い込んだ36号車au TOM'S GR Supraとなった。ポイントリーダーとしてもてぎ戦を迎えた36号車だが、僅差で追うライバルよりも高い予選順位をゲット。値千金の3番グリッドとなった。その他タイトルコンテンダーは、ランキング2番手の37号車Deloitte TOM'S GR Supraが8番手、ランキング3番手の100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが9番手だった。
戎井健一郎