Z世代よりエシカルな「α(アルファ)世代」が台頭してきた
記事のポイント①「将来的には、アルファ(α)世代がエシカル消費を急激に押し上げる」②α世代はZ世代の次の世代で、2010~24年に生まれた若者を指す③日本最大級のエシカルショップを運営する24歳の起業家が語った
最近、Z世代の次世代として「α(アルファ)」世代が注目されてきた。人気インスタグラム「エシカルな暮らし」を運営するGab(ガブ、東京・渋谷)の山内萌斗社長(24)も、その思いが強い。同社は丸井有楽町店で、数百種類のアイテムを取り揃えた日本最大規模のエシカルショップを運営する。「Z世代」と「α世代」の違いと共通点を聞いた。(聞き手・オルタナ副編集長=池田 真隆)
――環境に配慮した商品は価格が高く、若年層は購入に二の足を踏むことが少なくありません。エシカルな商品は若い人に売れると思いますか。 10~20代にとっては、購入しづらい商品が多いと思います。私たちが運営するインスタグラム「エシカルな暮らし」のフォロワーは約7万人いますが、最も多い層は30代の女性です。なぜ彼女たちがエシカルな商品に興味を持ったのか分析しました。
ある程度、経済的に余裕ができたことも要因ですが、大きな傾向としては、ライフステージの変化がありました。身体や環境の変化に合わせて、自身や家族の健康を意識し始め、その結果、オーガニックやマクロビなどに興味を持った人が多かったです。 現状は10~20代よりも、エシカル消費の主役は30代以上ですが、将来的には、アルファ(α)世代がエシカル消費を急激に押し上げると見ています。α世代とは、Z世代の次の世代です。2010年から2024年に生まれた若者を指しますが、最年長でもまだ14歳(中学2年生)です。
■「Z世代よりも、自分事化できている」
――α世代をどう見ていますか。 多くのZ世代とも接してきましたが、明らかにα世代は違います。学校でSDGsを学び、「探究学習」では社会課題の解決を自ら考えます。 抽象的な表現になりますが、Z世代よりも、社会課題を自分事化できている人が圧倒的に多い印象です。私たちは、ゲーム形式でごみ拾いを行うイベント「清走中」を全国の自治体で開いていますが、参加者の半数以上が小学生です。 例えば、プラスチックストローを拾った小学生が、「これが海に流れるとウミガメの鼻の中に入って、苦しめてしまう」と他の参加者に話していました。 ただ、ごみを拾うのではなく、使い捨てプラスチックがどのような社会課題を生み出しているのか、理解して、拾っていたのです。社会課題を自分事化して、どうにか解決しないといけないという自負も感じました。 私見ですが、Z世代よりも上の世代は、エシカルを掲げても、どこか他人事の雰囲気があります。社会課題について言及すると、周囲から「意識高い系」などと揶揄される風潮もあります。 α世代にはそれがなく、社会課題を解決することが「当たり前」になっています。まだ10年以上は掛かりますが、彼らが大人になったとき、エシカル消費は急拡大すると思います。 私たちは、α世代が起こす潮流も先読みしながら、日本のエシカル市場を開拓していきたいと考えています。 ――α世代とコミュニケーションを取る上で意識していることはありますか。 α世代は、すでに社会課題に関する知識を持っている人が多いので、ポジティブに声を掛けることは意識しています。「どうしたらこのアイデアをもっと広げられるだろうか」など、上から目線にならず、一緒に考えるようにしています。 一方、Z世代には、社会課題の解決を訴えるのではなく、「おしゃれ」や「楽しさ」を全面に出すようにしています。 *この続きはオルタナ・オンラインでお読みください。 この続きは) ■ヒットの法則は、「デザイン」「機能」「意味」 ■シリコンバレーの起業家は、主語が「人類」 ■インスタ7万人フォロワー、どう獲得したのか