ゾンビに怪獣、人気キャラクターが町を練り歩く!?面白ければなんでもアリ!「飛騨神岡初金毘羅宵祭」
岐阜の山奥で行われる真冬の祭り。夜道をゆく厳かな行列かと思いきや、その後に続くのはポップでファニーな出し物の数々!町の伝統を新たな伝統で守ろうとする、祭りに対するアツい思いとは?タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が取材しました。 【動画】こんなのアリ?! ギリギリを攻めたおかしな祭りの光景はこちら【3分15秒~】
消防団魂の結集! 仲間との一致団結を士気する祭り
祭りが行われる岐阜県飛騨市神岡町。町を見下ろすのは、高さ約9mの世にも珍しい立ち達磨。達磨供養で知られる「洞雲寺」は、全国に点在し、あらゆる願いを叶えるとされる「金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん)」を祀る寺の1つです。この地で年の初めに行われるのが、「飛騨神岡初金毘羅宵祭」。 祭り当日、寺坂くんが町を歩いていると、道の向こうからぞろぞろと人がやってきて、張り詰めた空気に。火消しの象徴である纏(まとい)が振りかざされ、厳かな舞を囲み、悠然と歌い上げられる何か…。 (神岡江戸木遣保存会・細田輝国副会長) 「本来は東京で歌っとる『江戸木遣(えどきやり)』と呼ばれる歌」 「江戸木遣」は、昭和9年の大火事を機に、消防団の士気を高めるため、東京の名人たちから教わった労働歌。この祭りは、門外不出といわれた「江戸木遣」の公認を祝い、その証拠である大きな額を持って、町を練り歩くものだったのです。 (神岡江戸木遣保存会・細田副会長) 「消防魂をずっと忘れないため、金毘羅宵祭は木遣がなくてはならないもの」 開催は今年で67回目。誇り高き「江戸木遣」を伝える行列です。
伝統的な祭りと思いきや…電飾ギラギラで破天荒な出し物行列
「江戸木遣」の後に続く行列を見ていると、厳かな雰囲気とは一変し、電飾ギラギラの破天荒な出し物の数々は、子どもたちが好きそうなアニメのキャラクターや沖縄のエイサー踊りの集団が登場。話を伺ったエイサーチームは、祭りの一か月前から連日集まって猛練習し、今回15年目になるというベテランでした。 江戸の「古風」な伝統芸能から、現代の超「ポップ」な出し物まで自由奔放。行列の中にいたゾンビに理由を尋ねました。 (ゾンビ!・溝口祐次さん) 「神岡はいろんな人が出入りする町。みんなを受け入れるぜ!みたいな。神岡の懐の広さを見てほしい」 かつて東洋一の鉱山として栄え、様々な人が出入りした神岡町は、異文化を受け入れる土壌が培われているそう。そのため、行列にはいつしか先頭をゆく伝統的な4チームに加え、バラエティ豊かな出し物が続くように。今年は全12チームが参加していました。 様々な神輿中でも、ひときわ目を引くのは、先日映画賞を獲得した、真っ黒な巨体に火を吹く怪獣。 制作したのは、今年32回目の参加という「藤波有志会」。青森の「ねぶた」を参考に毎年作られるド派手な御輿が、今では祭の名物になっています。