災害に強い作業道作りを奈良・吉野の達人が伝授 京都・福知山市が自伐型林業研修会
森林の守り手を育てようと、京都府福知山市は7月29日から3日間、三和町、夜久野町、天座区の山林で、自伐型林業ステップアップ研修を開いた。自伐型林業に取り組む4人、これから始めようと考えている1人が参加。林業経営の達人を講師に招き、作業道作りの方法を中心に、みっちり教わった。 自伐型林業は、自ら所有、または地域の人が所有する小規模の山林を管理し、長期にわたって間伐を繰り返すことで良質な木材を生産するもの。壊れにくい作業道を整備することで、山へのダメージを抑え、災害に強い森づくりにもつながる。 市は、2022年度から自伐型林業を推進して勉強会などを開催している。今回の研修もその一環で、ふくちやま自伐型林業推進協会の今西崇会長(48)らメンバー5人が参加した。 講師は、奈良県吉野林業の5大林業家の一つ、岡橋家次男の岡橋清隆さん(72)。3日間でそれぞれ別の山林を訪れて指導。幅2・5メートルほどで2トントラックがぎりぎり通れ、災害に強い作業道を開拓する方法などを、実践的に伝授していった。 研修2日目の30日は、夜久野町平野の今西会長が管理する山林に出向いた。岡橋さんは現地を見ながら、道なき道をゆき山中へ。どのルートで道をつなげていけば良いかを解説した。これから各自でルートを選定する際には、水の流れを考えつつ、地形が安定していて、崩れにくい場所を見定める必要があることも伝えた。 今西会長は「本やインターネットの知識でなく、経験を重ねて現場の状況などを見て自分で考え、さらに経験を重ねていくことが、良質な森づくりに必要だと改めて感じました。自伐型林業を始めて3年が経過しましたが、今後も長く林業を続けていくために、改善を重ねていきたい」と話していた。