剛力彩芽が10キロ増量でライオネス飛鳥、ゆりやんがダンプ松本、Netflix 「極悪女王」独走1位のわかりみ
当時は女子プロレスが地上波でテレビ中継されるのは割と当たり前でしたから、40代後半以上であれば馴染みのあるものです。あの時の興奮が蘇り、エモさを感じる人はきっと多いはず。本人とどことなく似た役者を配役していることが余計にそう思わせます。 レスラー役はすべてオーディションで決めたそうです。主演のゆりやんレトリィバァも長与千種役の唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽も例外なく、増量やトレーニングを前提とした役作りに自ら志願して挑んでいます。ゆりやんレトリィバァはこの役のために体重を40キロ増やし、剛力は10キロ増量したとか。ハリウッド映画のような話です。
■長与千種もダンプ松本も本人が指導 現在女子プロレス団体Marvelous(マーベラス)を率いる長与千種本人が役者陣にプロレスを指導し、撮影時も深く関わって作られてもいます。役者たちは長与から直接「あのときはこういう思いだった」「みんなもこう思っていたと思う」という話を聞き、理解を深めていったのです。Netflix公式インタビューではダンプ松本本人も撮影現場に足を運んでいたことも明かされています。ゆりやんレトリィバァに「怖くやるんだよー、遠慮しちゃダメだよー」などと声をかけながら、ダンプ松本を象徴するアイテムのひとつにある竹刀の振り方を事細かく伝授する徹底ぶりです。
過去最大級という延べ2万4145人のエキストラが試合会場などの熱狂を作り出し、衣装や髪型に至るまで再現性へのこだわりは十分。ですが、それだけではありません。今なぜ女子プロレスのヒール役を主役にした作品を届けるべきなのかということまで掘り下げられています。これこそこの作品の価値を高めていると思います。 通称「全女」、全日本女子プロレスを創業した松永兄弟を男社会の象徴として描き、プライドやロマンに固執する男たちの姿を村上淳、黒田大輔、斎藤工らがわかりやすく演じています。そんな彼らに対して、レスラーの彼女たちは「男どもの言いなりになってたまるもんか」と言わんばかり。この反骨精神が自分たちのスタイルを導き、ダンプ松本が生まれたのです。