BofA、リスク移転取引の完了間近-1600億円の融資ポートフォリオ
(ブルームバーグ): バンク・オブ・アメリカ(BofA)は10億ドル(約1600億円)の企業向け融資ポートフォリオに関連した大規模なリスク移転取引を間近に控えている。事情に詳しい関係者が明らかにした。
関係者が匿名を条件に述べたところによると、約9000万ドル相当のSRT(合成リスク移転)商品は、指標金利に400ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)弱のスプレッドを上乗せした価格で設定された。
BofAの広報担当者はコメントを控えた。
SRTは銀行が年金、政府系ファンド、ヘッジファンドにクレジットリンク債を販売することで、貸し倒れリスクを保険でカバーする取引。貸し手にとっては、規制要件を満たすために自己資本をそれほど投入する必要がなくなるという利点がある。その見返りとして、投資家は高い利回りを手にすることができる。過去の取引では10%を超えるものもあった。
BofAは少なくとも11月上旬からSRT案件に取り組んできた。ブルームバーグ・ニュースは当時、投資適格のローンポートフォリオにリンクしたこの案件について、同行が投資家の関心を測っていると報じた。同行にとっては、少なくとも2023年9月以降で初のSRTとなる。連邦準備制度は同月、米銀がこうした取引を活用して資本負担を軽減する際の指針を示した。
コーラス・キャピタル・マネジメントがまとめたデータによると、SRT取引は過去4年間に記録的なペースで拡大し、現在では約1兆ドルの融資のリスクを一部引き受けている。今年1-9月には約166億ドルのSRT債が発行され、そのうち30%余りが米国とカナダの銀行によるものだった。
原題:BofA Nears Completion of SRT Deal Tied to $1 Billion of Loans(抜粋)
--取材協力:Scott Carpenter、Carmen Arroyo.
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Esteban Duarte