広島県の島にある市の人口が初の転入超過 人口減少も過去最少 外国人増加、移住者は過去最多を更新中
広島県江田島市が住民基本台帳を基に独自にまとめた人口移動調査(2023年10月~24年9月)で、転入数が転出数を113人上回る社会増となった。2004年11月に同市が誕生して以来、社会増は初めて。市は市内に住む外国人が増えているのに加え、移住者も増加傾向が続いているのが要因とみている。 【グラフ】江田島市の人口と社会増減 市の10月1日時点の人口は2万709人。1年間の転入者が1590人だったのに対し、転出者は1477人で初めて転入超過となった。合併後の社会増減の平均は約180人減。直近では23年が58人減、22年が41人減と社会減に歯止めがかかる傾向にあった。 死亡数が出生数を上回る自然減は424人。全体での人口減少は311人で過去最少だった。 市内に住む外国人は909人で、人口の4・39%を占めた。新型コロナウイルスの影響で22年4月には一時、594人まで減ったが、現在はコロナ禍前の700人前後を大きく上回り、過去最多を更新し続けている。 国別では、ベトナム(349人)が最も多く、次いでインドネシア(204人)▽フィリピン(176人)▽中国(72人)―と続く。カキ養殖や造船の現場で働く技能実習生が約400人。市人権推進課によると、近年は家族で永住するフィリピン人の増加が目立つという。 市が把握する移住者も増加傾向が続く。21年度(47人)、22年度(73人)と過去最多を更新している。市企画部の畑河内真部長は「空き家バンクなどで移住希望者のサポートに力を入れるなど人口減少対策を進める市にとって明るい兆し。要因を詳しく分析して今後の取り組みに生かしたい」としている。
中国新聞社