淑徳巣鴨の選手たちと笑顔で記念写真に納まる奥谷茉子さん（中央）（撮影・西田忠信）

　◆玉竜旗高校剣道大会女子（25日、照葉積水ハウスアリーナ） 　関東の注目チームが攻撃的な剣道を見せた。淑徳巣鴨（東京）は先鋒の木元美麗（2年）が活躍。向陽（長崎）との2回戦で4人、富士河口湖（山梨）との3回戦で5人を抜いた。「抜こう、抜こうとせず、目の前の試合に集中できた」。木元は汗を拭った。 ■「意外と優勝しないチームは…」ゴリけんが玉竜旗あるある語る 　経験豊富な22歳がチーム力を押し上げた。4月から非常勤講師として指導する奥谷茉子さんだ。中村学園女子時代、2018、19年の玉竜旗優勝に貢献。19年は主将だった。筑波大を卒業し、指導者の夢をかなえた。 　淑徳巣鴨は今年3月の全国選抜大会で1回戦敗退。「日本一を取るためにはどうしたらいいのか」―。主将で大将の中嶋カオル（3年）ら選手の疑問に、奥谷さんは稽古をつけながら答えた。 　「勝負は大胆なところで決まるのではない。細かいところで決まる」。奥谷さんは強調する。大事なのは基礎と気持ち。関東と異なる九州の攻め方も教えた。「引き技がうまくなった」と中嶋。木元も「どうにかして強くしようという気持ちが伝わる」と感謝する。 　チームは6月の関東大会で2位。もともと実力のある選手たちが存分に力を発揮できるようになった。「みんな表情が明るくなった。（奥谷さんとは）姉妹みたいに楽しくやっている」と高橋弘二監督も目を細める。 　中村学園女子とは勝ち進めば準々決勝で当たる。「勝って母校に恩返ししたい」と奥谷さん。日本一を経験した〝新たな息吹〟が淑徳巣鴨を上昇気流に乗せる。（浜口妙華） #OTTO玉竜旗情報