親と離れて暮らす子は4万2000人…子どもも大人も幸せになるために「養育里親」の思い
およそ4万2000人。これは、様々な事情で産みの親と離れて暮らす全国の子どもの数です。 【動画】養育里親が目指すシアワセのカタチ このうち愛媛県内ではおよそ540人の子どもが、児童養護施設や里親の家で生活しています。子どもも大人も幸せになるために…実際に養育里親として子どもを育てる県内の夫婦や団体を取材しました。
NPO法人Lien 兵頭さおり 代表: 「私らが集まっているのは養育里親の集まり。養育里親をやって気づいた事は、子どもの虐待、ネグレクトをする親が、私たちと変わらない。共働きで仕事しよる人たちが切羽詰まって手を出してしまうということを知って、そこでもっと大人たちに息が抜ける場所ができんかなと思ったのがきっかけ」
養育里親は、もっとも一般的な里親です。特別な資格がなくても、研修を受けて都道府県知事に認められると、養育里親として子どもを受け入れることができます。 Lienは、そうした養育里親の認定を受けているメンバーが中心となって設立したNPO法人です。
乳児院で暮らす2人の兄弟を里子に迎えた山下さん夫婦は
Lienの理事を務める山下 憂さん。養育里親の認定を受けている山下さんは、同じく認定を受けた夫の直人さんと、2人の男の子を里子に迎えて家族4人での生活を送っています。
5歳の兄、そうたくん(仮名)と、4歳の弟、こうたくん(仮名)。実の兄弟です。 こうたくん: 「プーちゃんもあるから!2個のプーちゃん。あとママのお人形も」 そうたくん: 「えっと、ママの好きなの取ってくる!」
共に乳児院で暮らしていた兄弟がこの家にやってきて1年以上。 兄弟げんかは日常茶飯事。でも、これが山下さんが選んだ家族のかたちです。
必要なのは「大人たちがサポートし合える体制」
夫・山下直人さん: 「例えば不妊治療するお母さんの精神的負担はめちゃくちゃ大きくて、それが軽減できるんだったらもっともっと(里親制度が)広がればいいと思うし、必ずしも自分のDNAを引き継がなくていいなら、もしかしたらお父さんお母さんの愛情に飢えている子たちが、それこそ乳児院や養護施設にたくさんいるので、そういう子たちを迎えるのもひとつの選択肢としてあっていいと思う」 その一方で… 直人さん:「ずーっと大変ですけど」 憂さん:「来て最初の2か月間はほんと死ぬかと思った」 直人さん:「僕なんか5,6キロ痩せました」 憂さん:「私も多少は、2か月くらいは痩せました」