今平周吾、「まさか入るとは」20メートルのバーディーパットを決めて国内メジャー大会初制覇 男子ゴルフ日本オープン
◇13日 男子ゴルフツアー 国内メジャー大会第3戦、日本オープン最終日(埼玉県狭山市、東京GC) 2018、19年賞金王の今平周吾(32)=ロピア=が首位タイだった最終18番で約20メートルのバーディーパットを決める劇的な優勝を果たし、国内メジャー大会初制覇を達成した。首位と1打差の3位から出て5バーディー、3ボギーの68をマーク。通算4アンダーとして木下稜介(33)=ハートランド=を1打差で振り切り、ツアー通算10勝目を挙げた。 17番で最終組の木下が起死回生のバーディーを決め、再び首位に並ばれた。それでも、1組前の今平に追い詰められた気分はなかった。「最後にボギーを打ったら優勝はない。最後にパーを取ろうと思った。すごく集中できた」。最終18番で約20メートルのバーディーパットを完璧なタッチで打つと、ボールはカップへまっしぐらに転がっていった。そして、「カコン」という乾いた音が熱戦に終止符を打った。 「木下さん(の17番)がパーなら、あんなパットは入らなかったかもしれない」。今夏に左腕を伸ばすようにパッティングを変えて、フィーリングが良くなったことも奏功した。声を上げ、まだ試合が終わっていないのに”ウイニングボール”をギャラリーに投げた。 「まさか入るとは思っていなかったので、頭が真っ白じゃないけど変な心境だった。(そんな気持ちになったのは)人生で初めて。(ボールを投げたのは)皆さん、投げているのでちょっと投げてみました」 かつての2年連続賞金王が苦しんでいた。30歳を過ぎた。若手の台頭も顕著。飛距離では若手にかなわない。一時期を除いて、長年ペアを組んできたキャディーの柏木一了さんとは秋になると、「昨年まで6シーズン連続で勝っている。なんとか記録は続けよう」「記録を途切れさせたくはない」と話してきた。厳しいセッティングの今大会は中堅やベテランの方が勝機が大きい。柏木さんからは「”刻み大会”でいこう」と背中を押されて、持ち前の堅実なゴルフを貫いた。 賞金ランキングは13位から4位に浮上。今大会終了後のランキング8位までに与えられる24日からの米ツアー、ZOZOチャンピオンシップへの出場権をつかんだ。「米ツアーでやりたいというのは最大の目標。(コースは)何回も回っているし、この調子をもっていけたら…」。ZOZOに勝てば、米ツアー選手の仲間入りだ。
中日スポーツ