【プロ野球名物座談会】辛口レジェンドたちがこぞって日本ハム新庄剛志監督をベタ褒め 躍進の理由は、野村克也監督の真似にあり?
DeNAの26年ぶりの日本一など今年も話題が盛り沢山だったプロ野球。12月16日発売の『週刊ポスト』では、江本孟紀氏(77)、中畑清氏(70)、達川光男氏(69)の辛口レジェンドたちが球界をバッサバッサ斬っていく名物企画「ENT座談会」を掲載した。3人が取材の現場で口を揃えてベタ褒めしたのが日本ハムの新庄剛志監督だった。 【写真】今オフのFA市場で一際注目を集めた阪神タイガースの大山悠輔。広島東洋カープ新井貴浩・監督や、横浜DeNAベイスターズ三浦大輔・監督なども
日本ハムは2022年に監督として新庄監督が就任した後、2年連続最下位だったが、今年は2位に躍進。チーム打率(.245)は3位だが、本塁打(111)はソフトバンクと3本差の2位、盗塁(91)は1位だった。防御率(2.94)も3位だったが、完投(11)は12球団で1位と好成績を残した。 * * * 達川:日本ハムの新庄監督は頑張りましたね。 中畑:いやあ、良かったでしょう。評価に値するよ。 江本:オレは最下位予想したけど、ここまで上手くいくと思わなかった。安心したのは、新庄はアナログ人間だということ。一見するとイマ風だけど、12球団で完投投手の数が一番多い。これは良い傾向です。“ベースボール”にかぶれたやつはすぐにピッチャーを代えたがる。 中畑:オレも監督時代に同じような経験をしたからわかるんだけど、戦力がいないと若い選手を使わざるを得ない。ただ、新庄は若い選手たちを信じて使った。
投手を代えないことで「チームの軸」ができる
江本:新庄の日本ハムは、去年から完投がすごく増えてるわけよ。NPBアワーズで日本ハムの伊藤(大海)が最多勝と最高勝率で表彰されたんですが、コメントで「ピッチャーの特権である完投ができるのは嬉しい。来年も目指します」と言っていた。 中畑:日本ハムは素材的に恵まれたこともあったが、新庄の指導法が良かったんだと思う。「外野からの返球で、高さ4メートルより上へ投げたら罰則」だとか言って徹底させた。日本ハムでは低い球でカットマンにというのが当たり前になっている。基本中の基本というのを仕込んでいく。オレはそういう野球なんだっていうメッセージを送って、だんだん結果がついてくることに選手たちも喜びを感じるようになってきた。万波(中正)とかが捕殺の喜びを知る。「監督の言った通りになった」みたいな心のキャッチボールができる。そこにはチーム愛を感じるよね。 達川:新庄は阪神時代にノムさん(野村克也氏)の下でもやっていますからね。あの時に「おまえは球が速いから」とおだてられて、投手に挑戦させてもらったじゃないですか。あの時のノムさんの真似もしていますよ。 中畑:“新庄一家”になりつつある。やっぱり育ててくれた監督っていうのは一番の恩人だからね。それがうまく浸透しているから、新庄野球になっている。細かいこと言うと、“こずるい野球”というか、そういうのができるようになったね。 江本:ただ、新庄がこんなふうに戦略的な野球をするとは想像できなかった。12球団で完投の試合が一番多いが、ここで代えるだろうという時に代えないんですよね。そうすることでチームの軸ができる。ヨイショするわけじゃないけども、モタモタしている球団はあそこの部分だけは真似したほうがいい。投手が軸だっていうことがわかっていない監督が多い。
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