仙道敦子さん(54)更年期のひどいうつ状態を乗り越え、23年ぶりに女優業に復帰するまで|STORY
女優の仙道敦子さん(54)。23年間の休止の間に壮絶な更年期を経験し、家族で乗り越え、48歳で女優業復帰を果たします。急に始まった更年期のうつ症状に家族でどう向き合い、何がきっかけで乗り越えたのか、お聞きしました。 【写真あり】大人の美を体現する...女優・仙道敦子さん(54) \仙道敦子さんprofile/ 1969年、愛知県出身。「鬼龍院花子の生涯」「白蛇抄」などの数々の大作映画に出演。1993年に結婚、96年に長男を妊娠し、次男、長女の3人のお子さんを出産。休養期間を経て2018年「この世界の片隅に」で23年ぶりに女優業に復帰。「劇場版 鬼平犯科帳 血闘」が5/10(金)に公開される。
休業のきっかけはなく、気づいたら23年主婦をしていました
結婚後も続けていたドラマが終わったタイミングで、出産し自然と家庭に入ったんです。「結婚したから…」「妊娠したから…」という理由で、お休みしようと考えていたわけではなくて。気づいたら23年お休みしていました(笑)。お休みの間も仕事に復帰したいという気持ちはそこまでなく、出産後は子育てに一所懸命でした。夫も俳優なので作品を、楽しそうだな~とは見ていましたが、私も同じようにしたいという気持ちにまではならなかったですね。
PTAの役員をして何にもできない自分を知りました
第三子が小学生のときに初めて学校のPTAに参加をすることになったのですが、他のお母さんたちの仕事のこなし方が素晴らしくて、圧倒されてしまいまして。私はというとそれまで芸能のお仕事か、家のことしかしてこなかったので、コピー1つすらできなくて。私ってなんにも知らなかったんだ…と感じて、すごくショックを受けました。この役員が終わって2年くらい経って、実際にお仕事に復帰したので、今振り返ると役員のお仕事がプチ社会復帰だったように思います(笑)。
1人で旅行の日程を決めてあとは行くだけ!となった瞬間にうつ状態を抜けました
女優業への復帰は結局48歳のときだったのですが、その前に更年期のうつ症状があったんです。私自身どうすることもできないくらい、ひどいうつ状態で、情緒不安定で。症状が出始めたのは子育てもある程度落ち着いて、一息ついたタイミングでした。 家族ももちろん気づいていて、たぶんみんなで話し合ってくれたんでしょうね。「ママ、1人で旅に行ってきたらどう?」と提案されたんです。「そんなの行けないよ、大丈夫」って言いながらも、家族の説得の末、行ってみようかな~となりまして。ニューヨークに住むお友達の家に1人で遊びに行くという旅程をたて、飛行機もとって、向こうでのジャズのコンサートも予約し、あとは行くだけの状態で準備をしていました。 そんなとき世界情勢が悪化してしまって、結局全部旅行はキャンセルすることになってしまって、行くことはできなかったんです。ただ、予約も全て終わってあとは行くだけとなった時点で、不思議なことにふっーと今までのうつ状態が抜けたのがわかったんです。「私、治った!みんな治ったよー」って言いながら涙がでてきて、いつでも行こうと思ったら行けるんだ、勝手に殻に閉じこもってたのは自分だっ たんだと気づけて大泣きをしました。 もしかしたらまた再発するかもしれないとは思っていましたが、一回乗り超えたことが自信になりました。今までは「私なんて…」と思っていたことも、新しいことにチャレンジしてみたことで呪縛から解放されたんだと思います。そのタイミングでまたご縁があって女優業に復帰しました。