シティの「貴重な宝石」、投資家説明会で売り込み-組織再編の要
(ブルームバーグ): 米銀シティグループは世界中に広がる送金システムがいかに収益性を高められるかを示すため、組織刷新プロジェクトの中で最も華やかでない部門の一つを前面かつ中心に押し出す方針だ。
シティが新たに組織した5部門の一つ、サービス部門は、18日にニューヨーク市マンハッタンにある本社で開く投資家向け説明会でスポットライトを浴びる。ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)とマーク・メーソン最高財務責任者(CFO)によるプレゼンテーションが行われる予定で、同行の前四半期利益の約半分を占めるまでに成長した同部門を売り込む見通し。
ウェルズ・ファーゴのアナリスト、マイケル・メイヨー氏は「このビジネスはダイヤモンドの原石だ。クラスで最悪だが改善されつつある企業の最高のビジネスだ」と指摘した。
同部門は基本的に金融システムを流れる多数のパイプを動かす。財やサービス、給与の支払い、資本フローとファンドによる投資の処理、サプライチェーンの重要な接合点での資金提供など、国際展開する大口顧客のグローバルな資金管理・移動を支援する。
アマゾン・ドット・コムやウーバーなどが大口法人顧客として名を連ねているほか、米政府も国内外の給与支払いに利用している。
サービス部門の責任者、シャーミール・ハリク氏はインタビューで、「われわれは世界各国で、企業を陰で支えている」と述べ、毎日5兆ドル(約789兆円)近くを処理していると説明した。
シティの決算説明会では通常、トレーディング部門や規模の大きいクレジットカード部門の浮き沈みに関する質問がより多く集まるが、サービス部門は安定した利益の柱となっている。同行全般の業績が競合他社に後れを取り、システム刷新に資金を費やすよう規制当局から圧力を受ける中で、サービス部門は明るい話題となることが多い。
サービス部門では金利上昇で送金量の増加に拍車が掛かり、同行の株価を押し上げている。今年に入り株価は約17%上昇。フレーザーCEOは4月に、サービス部門を同行の「貴重な宝石」と呼んだ。