マージャン、世代超え浸透中 公民館で子供向け教室も 「カジュアルな頭脳スポーツ」にイメージ変化
マージャンが、お年寄りだけでなく若者や子どもの間でも楽しまれている。ギャンブル、たばこ、徹夜というかつてのイメージも「カジュアルな頭脳スポーツ」に変化しつつある。マージャンのプロリーグ「Mリーグ」発足や、スマートフォン向けのゲームアプリ人気も背景にあるようだ。広島市内では子ども向け教室も開かれている。 【写真】プロ雀士土田さん(左端)の解説を熱心に聞く「雀荘 華」の勉強会の参加者たち
「お年寄りと子ども、地域をつなぐ架け橋」
「ポン!」。今月1日、広島市佐伯区の五月が丘公民館であった子ども向けのマージャン教室。元気な声を響かせたのは近くに住む池田彬人くん(6)。姉の灯里(あかり)さん(8)とともに両親に連れられて、地元のアマチュア4段山根末登さん(77)らの指導でマージャンに初挑戦した。 2人とも、初めての経験でルールは覚えられなかったが、灯里ちゃんは「楽しかったし、家族や友達とまたやりたい」と喜んでいた。 教室は8月にスタート。公民館が毎月第1日曜の午後1時から開いている。マージャンはルールが複雑で数字を扱う局面が多い。子どもたちの計算力、相手の表情や考えを読む力を養うことができるという。担当する専門員の村田慶施さんは「マージャンは世代を超え楽しめる。お年寄りと子ども、地域をつなぐ架け橋になる」とも期待する。 スマホアプリでマージャンゲームを楽しむのは、広島県府中町の会社員田村梨夏さん(24)。「頭を使うのに、運が良いとすんなりと勝つ面白さがある。まさか自分がはまるとは…」と笑う。1年前から始め、毎日1時間楽しんでいるという。 きっかけは、少女漫画雑誌「なかよし」で連載された「ぽんのみち」だ。尾道市を舞台に女子高校生がマージャンを楽しむ日常を描き、アニメ化もされた。「中年男性の趣味というイメージが覆された」と田村さん。スマホでマージャンを楽しむ同世代は少なくないという。 若者の間で人気に火を付けたとされるのが2018年発足の「Mリーグ」だ。試合はインターネットテレビ「ABEMA」で中継され、カジュアルで高度な頭脳スポーツとして、広がっていったとみられる。 マージャンの競技人口を調べてみると、統計上は減少している。日本生産性本部(東京)のレジャー白書によると、1982年は2140万人だったが、近年は500万人前後で推移している。 広島のファンからは「今は人気回復の過渡期にある」との声が聞こえる。マージャン文化を調べている愛好家の滝本健さん(40)=南区=は「ネットゲームや視聴中心のライト層など楽しみ方は多様化した。対面でのマージャンは未体験な潜在的なファンは多いはず」と語る。