マージャン、世代超え浸透中 公民館で子供向け教室も 「カジュアルな頭脳スポーツ」にイメージ変化
高齢者 楽しみながら脳トレ
認知症予防として、高齢者の間で定着しているのが「健康マージャン」だ。金を賭けない、酒を飲まない、タバコを吸わない-。それが決まりごと。広島市中区の健康マージャンの専門店「雀荘(じゃんそう) 華」には、連日多くの高齢者が集まり、卓を囲む。 店主の村上梨枝子さん(71)は時々、プロ雀士を招き、勉強会も開く。11月上旬には常連客たち約30人が参加。プロ雀士の土田浩翔さん(65)=東京都=から、上手な役の作り方や試合でのマナーなどを教わった。 華の客は大半が高齢者で、8割が女性という。中区の主婦金井孝子さん(73)は2年前、脳トレのために通い始めた。当初はルールも分からなかったが負けず嫌いな性格とマッチした。「もっと強くなりたい」と土田さんの話に耳を傾けた。現在は週1回の来店が楽しみだという。 健康マージャンが公民館やカルチャー教室で親しまれる一方、マージャン店は激減している。警察庁のデータによると、全国の店舗数は1978年の3万6173店から、23年は6734店まで落ち込んだ。 頭も手も使う健康マージャンは、健康面への期待が大きいのに加え、人と交流する機会としても人気を集める。土田さんは「対面して考えを読み合うのもマージャンの醍醐味(だいごみ)。ぜひ、ジャン荘でさまざまな人との対局を楽しんでほしい」と呼びかける。