2014年東京都知事選挙 細川護煕候補 第一声 <演説全文>
特に私が心配しているのは、今度の知事選挙への立候補のきっかけにもなったんですが、成長のためには原発が不可欠だと言って、原発を再稼働させようとしている国の姿勢。このことに私は強い危機感を持って、そのことが今日、ここに来ていただいている小泉さんにも強く背中を押されて立候補をするきっかけとなりました。それが1つの私が申し上げる価値観の問題です。 もう1つは、これも多少抽象的な話ですが、大くくりに申し上げて、平和と言ってもいいかと思うんですが、今度の選挙のテーマはもちろん原発だけではありません。都政に関わるさまざまな問題、いつ来るか分からない直下型地震に備えての基盤の整備とか、あるいは高齢者や待機児童の問題。さまざまな問題にできる限り急いで、メリハリをつけて対応していかなければならない。それも当然のことであります。 外国とのさまざまな問題。オリンピックはまさに平和の祭典でありますから、都としても善隣的な近隣諸国との付き合いというものについては、いつも知事は念頭に置いておかなければならないことだと思います。オリンピックは、しかしかつての東京五輪のように大きな投資をして、大きな建物を造ってというわけにはいきませんから、できるだけコンパクトな、しかしソフトな面でおもてなしの心というものを十分に感じていただけるような、そういうオリンピックにしていかなければならないし、また、東京だけがいい思いをするのではなくて、東北の人たちにもぜひ一緒になってオリンピックの果実というものを分かち合えるような、そういうオリンピックにしていかなければならないと思います。 もう1つ、最後の問題は原発の問題です。私は国の存亡に関わる大きな事故がいつ起きるか。本当にこれは不安で仕方がない。福島の事故がありましたけども、東京の周辺、100キロ、200キロぐらいのところには浜岡とか、あるいは東海第二とか、いくつかの大きな原発が立地しています。もしそういう原発が大きな事故を起こしたら、これは日本は壊滅的な打撃を受ける。日本だけではない、世界中にその影響が及ぶことは必至であります。ですから、一刻も早く原発再稼働というものをやめて、世界の先進国がやっているように、自然エネルギー、あるいは再生エネルギーなどを活用した、分散型のエネルギー社会というものを作っていかなければ、日本は成り立っていけない。そういう方向に早く踏み出していくべきだと思います。