2014年東京都知事選挙 細川護煕候補 第一声 <演説全文>
オリンピックや、消費税や、いろいろな問題があるんですけど、もちろんそういう問題も原発の事故が起きたら、そんな問題はもう一遍に吹き飛んでしまう。知事の最大の任務は、第一の任務は、都民の生命と財産を守ることです。原発は都政のテーマではないと言う人たちもいますけども、都民の生命と財産を守るということは、これは最も重要なテーマでありますから、これが今度の選挙のテーマではないということは、私はまったくおかしな話だと思います。 この間の福島の事故のあとも、水道が止まったり、停電になったり、都内の一部では大きな問題が起こりました。迷惑をされた方々がたくさんありました。その原発依存型のエネルギー多消費型社会というものを先ほども申し上げたように180度方向転換して、新しい時代に対応するものにしていかなければならないと思います。3.11が起こるまで、私も原発は安全でクリーンだということを信じてまいりましたが、しかし、この事故によってそれがいかに欺瞞であるかということが明らかになりました。原発がなければ日本の経済は成り立たないという人がおりますが、2年間原発が止まっていても日本の経済は順調に回っております。 もちろん、石炭、火力などの燃料代というものを、相当かかることは分かりますが、しかし、原発には実は天文学的なコストがかかっている。事故のあったときのコスト、あるいは廃炉にするコスト、いろいろな点で天文学的なコストがかかっている。それが見えない形で国民の負担にされて、原発のコストは安いというごまかしがまかり通ってきました。原発の安全性の問題や、核のごみの問題を考えたら、原発とは早くここで区切りをつけて、欧米の先進国がやっているように、自然エネルギーなどに変えていくほうが、よほど生産的だし、新しい雇用や技術を生み出していくきっかけになると思います。今ここで原発ゼロの方向というものを明確に打ち出して、再稼働に向けてスタートを切っていく。自然エネルギー大国日本というものを打ち出していくということが、何よりも大事なテーマだと思っているわけです。