県政課題に高校生提案 14校が模擬県議会 長野県
長野県議会は16日、高校生と県議が意見交換を行う「こんにちは県議会です」を県庁で開いた。諏訪地域や上伊那地域など県内14高校の生徒34人と県議12人が出席。初めて県議会で模擬県議会を実施し、生徒は高校生の視点からの県政課題とその解決策について提案した。 生徒らは事前に行った「生徒が主体性を育む交流会」で知り合い、複数回、若者の県外流出の現状や政治参加、児童生徒が必要とする施設、青少年育成条例などの各テーマについて議論を重ねてきた。模擬議会で生徒らは議員席に座り、自身の名前が書かれた紙製の氏名標を立てて提案に臨んだ。提案後は、別会場でグループごとテーマについて県議と意見交換した。 県内高等教育の魅力の拡大について発表した諏訪清陵高の影山玲奈さんは「今ある大学の魅力を高め、県外から人を呼び込むことが必要」と指摘。大学と地元企業の関係を強化して就職までつなげることで、優秀な若者の定着につながると説き、大学や企業、学生への支援や援助を求めた。影山さんは「意見交換では議員さんの視点からの意見をいただき、とても参考になった」と話していた。 10代の政治参加について考えた諏訪二葉高の渡邊江理奈さんは、議員を講師に招いた授業の開催やオンライン投票の実施などを提案。「傍聴席と議場では雰囲気が異なり緊張した。議員さんとの意見交換を経て、安全なオンライン投票ができるようなシステム構築を私たちが生み出すことが必要だと感じた」と振り返った。 山岸喜昭議長は「将来を担う皆さんの意見を踏まえ、魅力的で選ばれる長野県にしていきたい」と述べた。 こんにちは県議会は、高校生の意見を議会活動に反映することなどを目的に実施し、今年で10回目。高校生に県議会をより身近に感じてもらおうと今回初めて県議会を開放し、高校生の提案を受けた。