生理中もスポーツを快適に 吸水ショーツ開発した元プロサッカー選手「心地よく心配ない」
女性ならではの健康課題について学び、解決策を探る大学生向けのワークショップが、日本女子体育大学(東京都世田谷区)で開かれた。生理期間に使える吸水ショーツのブランドを立ち上げた元プロサッカー選手らがパネルディスカッションに登壇し、生理期間も自分らしく、居心地よく過ごすことの重要性を語った。 【写真】ワークショップに参加し、タブー視される生理ついて考え、意見を交わす大学生ら ■競技中に起こる生理用品の深刻な悩み ワークショップは25日に行われ、大学生ら約15人が参加。化粧品大手ポーラによる、生理や更年期など女性特有の健康課題の解決を目指すプロジェクト「タブーを自由にラボ」の一環で行われた。 この日は元プロサッカー選手の下山田志帆さんと内山穂南さんが、スポーツ選手をはじめ、誰もが安心して生理期間に着用できる吸水ショーツを開発した背景について講演した。 吸水ショーツはナプキンなどの生理用品を使わなくても、ショーツ自体に吸水機能がある下着で、女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」の代表的な製品として知られる。 下山田さんは女子サッカー選手の悩みとして「激しい動きや汗により、身に着けている生理用ナプキンがショーツから外れて、試合中にピッチに落ちてしまうことが実際にはある」と説明した。 吸水ショーツは数年前に日本市場に登場したが、内山さんは「デザインが女性らしいショーツ型がほとんどで、自分自身の好みに合わなかった」と振り返り、「メンズライクなデザインを好む人が心地よく身に着けられ、どんな競技でも経血の漏れの心配がないボクサーパンツ型の吸水ショーツの開発に至った」と経緯を語った。 ■タブーを乗り越えるために 一方で、内山さんは「女性アスリートの間でフェムテックの認知が広がっていない」と課題を指摘。 もう1人のパネリストで、ポーラが手掛けた吸水ショーツの開発に携わった西沢美紀さんは「生理ケアの選択肢として吸水ショーツがあることを子供のころから知ってほしい」と思いを語った。 パネルディスカッション終了後、学生らはグループに分かれて、日ごろ語ることが敬遠されがちな生理について、気づいたことやタブーを乗り越えるために自分自身ができること、大学に求めたいことについて意見を交わした。