超効率的に学習する5つの秘訣。米国医師国家試験に上位1%以内で合格した医師が実践する勉強法
日時を分散して学習するのも効果的
──極端な話、明日試験があるとして、一夜漬けでアクティブリコールすればOKなのでしょうか? 脳の特性上、短時間の詰め込みだとすぐに大半を忘れてしまい本当の意味での学習効果は得られません。 勉強する内容を分割して、日時を開けたほうがいいのです。たとえば、たくさんの英単語を覚える場合、2時間続けてやるよりも、今日は1時間、別の日に1時間と分けるのです。これを専門用語で分散学習といいます。 アクティブリコールで分散学習することを連続的再学習と呼びますが、これはどんな学問領域でも使えます。分量の多い勉強は、このやり方を一番おすすめします。
好奇心をもったら突き進む
──学習効果を高めるマインドセットみたいなものはあるのでしょうか? 好奇心や興味をもつことが、とても重要です。 興味があることを勉強した方が、覚えやすく忘れにくいですし、仕事だとパフォーマンスが高くなるのは経験上ご存じと思います。脳科学的に見てもそのとおりなのです。好奇心をもって何かをしているとき、学習にとって脳は最高の状態にあると言ってもいいでしょう。 仮に、勉学やキャリアに直接的な関係はないと思えても、何かに好奇心が芽生えたらそこへ突き進んでみてください。人間としての魅力が出てくるとか、別の形で仕事のパフォーマンスが上がるなど意外な効果があるはずです。 それに、未知のことを知ること自体が本能的にすごく楽しいことなので人生が豊かになるのはたしかです。 安川さんも古事記をはじめとした日本の神話にはまった時期があったのだとか。 私も一時期、古事記をはじめとした日本の神話にはまって、頭の中の90%ぐらいがそのことで占められていたことがあります。そのテーマで論文を書いたくらいです。臨床医としてのキャリアにはあまり役立ちませんが、何かを知る・考えることの喜びを得ることができました。 仕事において、自身の好奇心や興味は大きな強みとなり得ます。たとえば、私の友人はハーバード大学でMBAを取得した後、起業しました。彼は元々ゲームというものに強い関心を持っていて、その情熱を生かしてeスポーツの会社を設立しました。 さらに、自らボードゲームを開発するだけでなく、通勤途中にSF小説を執筆するなど、多岐にわたる興味を仕事に結びつけています。自分の興味や関心をそのまま仕事にしていて、とても楽しそうです。