【ベスト8決定版】アジアカップ戦力値ランキング1位。不安的中…。低レベルな指揮官が足を引っ張った
AFCアジアカップ2023も決勝トーナメント1回戦までの日程を終えてベスト8が出そろった。勝ち上がった8チームのうち、最も戦力が充実している代表チームはどこなのか。今回は戦力を3項目(攻撃、守備、采配)に分けて数値化し、ランキング形式で紹介する。
1位:日本代表 監督:森保一 FIFAランキング:17位 戦力値平均:9.0(攻撃力10、守備力9、采配8) ベスト8が揃った時点でも、日本代表がアジアカップ戦力値ランキングで1位に立った。これまでの4試合全てで失点を喫するなど、不安定な部分もあるが、戦力は他チームと比較をしても圧倒的だ。 アジアで最高値となる「10」とした「攻撃」に関しては、最高の戦力が揃っている。今大会4試合で4ゴールと日本代表のエースとして存在感を示す上田綺世を頂点に、日本に留まらず、世界が注目する存在になりつつある久保建英や三笘薫ら強烈な個性を放つ2列目の選手のクオリティは抜群だ。三笘に関しては怪我が心配されたが、バーレーン代表戦で復帰。いきなり相手守備陣を得意のドリブルで翻弄してレベルの違いを見せつけた。 彼ら以外にも初戦のベトナム代表戦で2ゴールを決めた南野拓実や攻守に効いている堂安律、抜群のシュートセンスを誇る中村敬斗らタレントが揃っており、彼らの持ち味が発揮しやすいポジションで起用すれば、誰が出てもある程度の結果は残せるだろう。 「9」とした「守備」はディフェンスリーダーの冨安健洋と主将の遠藤航を中心に高いレベルにある。冨安は最終ラインを統率するのに欠かせない存在で、対人守備はもちろん、巧みなラインコントロールで相手FWを封じている。遠藤も広いカバーエリアで相手の攻撃を遅らせており、名門でプレーする彼らを軸に据えて強度の高い守備を保つことができている。 史上最強とも言われる、今大会の日本代表の強みは選手層の厚さだろう。冨安を筆頭に代えの効かない選手もいるが、絶不調の右SB菅原由勢の代わりに抜擢された毎熊晟矢がハイパフォーマンスをみせるなど、誰かの穴は誰かが埋める好循環が生まれている。選手の市場価値が2位の韓国代表に1.6倍の差をつけた3億1840万ユーロ(約446億円)であることからも、多くの優秀な選手を抱えていることが想像できるだろう。 間違いなくアジアNo.1の戦力を誇る日本代表だが、この充実した戦力で優勝を目指すには森保一監督の「采配」が欠かせない。カタールワールドカップでも後半にギアを上げるなど、時間帯で勝負する同監督は、怪我明けながら三笘という最高のジョーカーを手にした。復帰直後である彼のコンディション的に先発で起用するのは考えにくく、今大会に関してはワールドカップと同じく、相手が疲れてきたタイミングで日本の韋駄天を使うことになると予想する。 しかし、森保監督の「采配」はグループリーグでの戦いを含めて1ダウンの「8」とした。その理由はハーフタイムまでの修正力の無さで、どんなに上手くいっていなくても、とりあえずハーフタイムまでは現状の形で戦うことが多い。それが裏目に出たのが第2戦のイラク戦で、ハーフタイムまで2点のビハインドを負ってしまった。 最悪スコアレスでもPK戦の結果次第では次の戦いに進出できる決勝トーナメントでは、状況によって対戦相手が露骨に守備的に戦うこともあるだろう。そうした難しいケースで、森保監督が「采配」で試合を動かすことはできるだろうか。タレントは好守に揃っているだけに、指揮官に掛かる責任は重たい。
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